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2026.03.04 16:15

5年前の予言が実現? AIと社長だけの企業時代が到来

bephoto - stock.adobe.com

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フィクションと思われた「社長とAIだけの会社」が、今や現実のものとなりつつあります。技術革新が企業の在り方を根本から揺るがし、従来の成功法則であった年功序列や終身雇用制度が「負債」と化す中、私たちはどのようにして新たな秩序を築くべきなのでしょうか。効率性と人間性の調和が求められるこの時代、企業の未来像は再定義されつつあります。

効率追求だけでは生き残れない、真の変革が求められる今、あなたの企業はどう進化しますか?

Forbesコラム〈組織との関係性を見直すとき。これからの企業人に必要な「仕事の流儀」3つ〉は、5年前の2021年に筆者が寄稿したものですが、「社長とAIだけの会社」を未来の企業像として予測していました。当時は絵空事かと思われたこのシナリオが、生成AIの登場と急速な進化・普及により、いまや現実味を帯びてきたようです。この状況が突きつけるのは、技術革新が企業の在り方を根本から揺るがしているという「不連続な変化」であろうとみています。

企業構造のみならず、AIがSaaS産業やEC産業をディスラプトしてしまうといった話も話題に良くのぼるのは読者の皆さんもお気づきのことと思いますし、ソフトウェアコーディングを劇的に容易にするAIツールの登場で SES (Software Engineering Services) への影響がではじめていることは昨年のコラムでも論じた通りです。

AIの急速な進化により、これまで専門的業務と思われていた会計・法務・税務・広報などバックオフィスと呼ばれていた業務の自動化・AI化の提案も急速に増えており、利益が出ている好調な大企業においてもバックオフィス業務の人員を大幅に削減する発表が続いています。

 1人社長&AI企業がDAO化していくのか?

もちろん、すべての会社が「1人社長&AI企業」になるわけではなく、社会を支える基盤・インフラを担う企業や大規模な製造を伴う企業は多くの社員の共同作業で事業を成立させる事は今後も継続していくとみています。もちろん、それらの企業においてもAIツールの活用により業務の自動化や高度化は進められていく事は間違いありません。

本稿で注目している「1人社長&AI企業」の未来はどうなるでしょうか?

筆者は、「1人社長&AI企業」がそれぞれの得意領域で価値提供を行っていく段階から、「1人社長&AI企業」群が有機的かつ動的にネットワークし、1つのタスクを共同して実現していく構造が産まれてゆくとみています。原初的な構造はすでに産まれているかもしれませんし、少し前に大きく話題になった DAO (Distributed Autonomous Organization) がこの「1人社長&AI企業」群が有機的につながる形で「社会実装」されていくのではないかとみています。

例えば、弁護士さんを社長とする「1人社長&AI企業」がエンジニアを社長とする「1人社長&AI企業」や著名なマーケターを社長とする「1人社長&AI企業」と組んで、弁護士AIエージェントを作ってリリースしていくようなイメージです。

この構造の面白いところは「一人社長&AI企業」A の自律型AIが協業する「一人社長&AI企業」BやCの自律AI同志が社長の介在なしに判断や交渉をして、仕事内容を決め、実行し、成果を出していくことにあります。

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文=茶谷公之

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