SMALL GIANTS

2026.03.11 10:15

まちを「和える」──バウンダリー・スパナーとして生きた10年の実践

「余白」こそが参加を生む。

「和える」ためのコミュニティをデザインする上で、欠かせない要素があります。「余白」の設計です。行政主導のプロジェクトに陥りがちなのが、過度に整備されたルールとレギュレーションです。

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しかしそれでは、参加者の自発性は生まれません。FactorISMが6年で92社・13市域へと急拡大できたのは、活動に大きな余白を残し、参加企業が「自由に、楽しく、自分事」として動ける環境を整えたからです。私たちが「文化祭」という言葉を使い続けるのも、誰もが直感的に「自分たちで企画して楽しんでいい」と感じられる、強力な余白がそこにあるからです。

市民、行政、企業、金融機関──まちのあらゆるプレイヤーの「境界線を曖昧にする活動」こそ、今の地域に求められているのではないでしょうか。住民であり、地方自治体・国・民間企業という複数の立場をまたぐ私自身の曖昧な境界線も、そうした活動をうまく機能させる一因になっていると感じています。

あなたが「最初のフォロワー」になることから始まる

まちづくりは、たった一人の「裸の男」が踊り出すことから始まります。しかし、その男がただの変わり者で終わるか、ムーブメントのリーダーになるかは、「一人目のフォロワー」が現れるかどうかにかかっています。

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行政時代の私は、民間の若手経営者たちのフォロワーになり、彼らの想いを形にするための「境界」を取り払うことに全力を注ぎました。そして今、民間企業の立場から、行政や学生たちのフォロワーとなって新たなプロジェクトを仕掛けています。立場は変わっても、「弱い紐帯を育て、和え、余白をつくる」という軸はぶれていません。

ビジネスリーダーの皆さんに問いかけたいことがあります。自社の、あるいは自分の組織の境界線(バウンダリー)はどこにあるでしょうか。その線の外側にある「弱い紐帯」に、あえて踏み込んでみてください。そこにある「違い」を楽しみ、和えてみてください。一見、非効率に思える「ちょっとした知り合い」との対話の中に、予測不可能な未来を切り拓くイノベーションの種が宿っています。

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