食事を取る時間を、毎日一定の時間帯に制限する「インターミッテント・ファスティング(断続的断食)」が近年、人気を集めている。健康増進や減量、適正体重の維持に役立つ手段とされるが、その効果について疑問を投げかける最新研究が発表された。
この研究は、2026年2月16日付けで『コクラン・レビュー(Cochrane Review)』に掲載された大規模な系統的レビューだ。肥満の男女のうち、断続的断食を実践したグループ、一般的な食事指導を受けたグループ、何の介入も受けなかったグループを比較した、22のランダム(無作為)化比較試験を評価した。取り上げられたのは、2016年から2024年にかけて、北米やオーストラリア、欧州、中国、南米など世界各地で実施された諸研究で、被験者は合計で約2000人に上る。
全般的に言うと、断続的断食を実践したグループ、食事指導を受けたグループ、介入を受けなかったグループのいずれのあいだでも、体重の減少や生活の質、有害事象の発生について有意な差は認められなかった。
期待外れの結果に思えるかもしれないが、断続的断食法と関連があるとされる他の各種効果(全身の代謝機能や持久力の向上、血糖値の低下、記憶力の改善など)については、今回の研究では検討されなかった。
断続的断食とは
断続的断食では、「何を食べるか」より「いつ食べるか」に重点が置かれる。1日のうちの8時間から10時間に制限して食事を取ったり、週2日は摂取カロリーを非常に低く抑えたりする方法がある。
その狙いは、代謝のスイッチを切り替えること。つまり、代謝を切り替えることで、それまで蓄積されていた脂肪を、断食している時間帯に、体が燃やし始めるようにするわけだ。
代謝が切り替わるのは通常、断食を始めてから12時間以上が経過したあたりだ。肝臓に蓄えられたグリコーゲンが枯渇すると、糖代謝から脂肪酸代謝へと切り替わる。その結果、蓄積された脂肪が減って、脂肪酸とケトン体が筋肉へと運ばれていく。それに伴って、過体重の人の体重や体組成が変化していく。
断続的断食で得られる可能性のあるメリットは、体重の抑制だけではない。がんや2型糖尿病の発症リスクの低下、神経認知機能や記憶機能の向上、心機能の改善、高強度の運動時の持久力アップなども期待されている。とりわけ2型糖尿病については、断続的断食を実践すれば、空腹時血糖値が下がるほか、インスリン治療を受けずに済む可能性も高くなることがわかっている。



