チョコレートは、カカオ豆から作られるが、カカオ豆はカカオの実の殻の中にあり、さらにカカオ豆自体も固い外皮(ハスク)に包まれている。明治によると、カカオの約9割は未利用部分として廃棄されるという。だがそのなかに、希少な天然のセラミドが高濃度で含まれていることがわかった。
セラミドは、肌の保湿機能やバリア機能を担う脂質成分。化粧品や健康食品の原料として多く使われている。ヒトの肌にも含まれる天然のヒト型遊離セラミドや、その前駆体(体内で分解されてセラミドに変わる)であるグルコシルセラミドは、通常は植物から抽出されるが、分離が難しく希少性が高い。
明治は、世界に先駆けてセラミドの定量分析方法を確立した帝京大学と共同で、カカオの各部位に含まれる遊離セラミドの分析を行った。すると、カカオハスクの遊離セラミドとグルコシルセラミドの含有量は0.14パーセントとわかった(通常、植物のセラミド総含有量は0.02~0.04パーセント程度)。
そのセラミドの量を、世界で生産量が多い豆類である、ピーナッツ、大豆、コーヒー豆の皮と比較しても、カカオハスクの遊離セラミドの量は極めて高かった。
カカオハスクからプラスチック素材を作るなど、アップサイクルが各所で進められているが、カカオハスクの大量消費につながるかどうかは不透明だ。だが、そこからヒト型遊離セラミドとグルコシルセラミドが大量に採れるとなると、アップサイクルの潮目が変わるだろう。そこにカカオハスクでなければならない理由が生じ、本当の意味での高付加価値アップサイクルが実現するはずだ。



