モビリティ

2026.03.03 10:30

ドバイのロボタクシーは生活に溶け込むステージに──Uberの戦略と日本市場への示唆

アブダビではWeRideが開発した完全自動運転によるロボタクシー「GXR」がオプションに加わり、Uberのライドシェアサービスが拡大した

ロボタクシーは人間のドライバーに置き換わるのか

Uberは、2023年秋から米国フェニックスなどで本格的にロボタクシーサービスをスタートさせているが、その反響は同社の想定を超えてポジティブだという。自動運転関連のプロダクト責任者であるウェンディ・リー氏は、現状のフィードバックを次のように述べた。

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Uber Technologiesの自動運転関連のプロダクト責任者、ウェンディ・リー氏にプロダクトの提供後から同社に寄せられる反響について聞いた
Uber Technologiesの自動運転関連のプロダクト責任者、ウェンディ・リー氏にプロダクトの提供後から同社に寄せられる反響について聞いた

「自動運転車両によるロボタクシーを選択できる都市では、圧倒的多数の利用者がこの選択肢を好ましく受けとめてくれているようです。乗車後のレーティング(評価)のほとんどが5つ星であることからもわかります。乗客のみなさんから特に好まれている点は、車内でのプライバシーが保てることで。車内でも秘匿性が高い仕事の話をしたり、プライベートな会話を楽しんだり、移動中も自由な時間が過ごせることにポジティブな反響が寄せられています」

米国で先行投入されている「Waymo on Uber」のサービスでは、他のエリアに先駆けてフェニックスでは、ロボタクシーにより市街地と空港を結ぶ運行も始まった。外国語が苦手な旅行者の中には、空港からホテルまでの移動にも、ドライバーとのコミュニケーションが省けるロボタクシーを選んで乗りたいという声も少なくないだろう。

ロボタクシーの運行エリアを拡大することについて、リー氏はもはや技術的には可能であり、あとは「いつ実現するか」だと応える。「導入する都市やパートナーごとに優先事項が異なるため、最も効率的で心地よいユーザー体験、スムーズな運行体制を順に整えています。今後もサービスエリアを積極的に広げたいと」語る。

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将来的にロボタクシーの技術が成熟したとしても、Uberは「人間のドライバーと共存するハイブリッド・マーケットプレイス戦略が最適解であるという信念は変わらない」とリー氏は断言する。例えばピーク時の需要に狙いを定めて自動運転車を大量に導入すると、閑散期には膨大な車両が遊休状態となり、投資コストの回収が困難になる。見方を変えれば、混雑エリアなどで柔軟な判断ができる人間のドライバーが不可欠といった理由もあるからだ。

そしてこの両者を1つのアプリで最適に配置することで、車両のアイドル時間を減らし、全体的な効率を高めることができる。結果として、将来的には現在よりも低価格なサービスを提供できる可能性も秘めている。

現在、ロボタクシーだけでなく、人間によるドライバーの多彩な経験値が活かせる配車サービスは、現在のところUberの独壇場になっている。今後も多種モビリティを組み合わせたり、ユーザーの観光アクティビティを結びつけた「Go Anywhere」シリーズの拡充など、Uberが多角的に描く「交通インフラの未来」のビジョンから目が離せない。

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編集=安井克至

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