リーダーシップ

2026.03.05 14:00

リーダーが強いチームを作るための「アラインメント」の捉え方

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アラインメントには「摩擦」が必要

リーダーは、生産性に優れたチームは意見が一致している、と思い込みがちだ。しかし実際には、真に健全なチームからは好奇心が感じられる。仮説を検証し、論理を問い直し、方向性を決定する前に代替案を模索するからだ。

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議論が行われなくなれば、それとともに情報も失われてしまう。リスクは吟味されなくなり、思い込みは言葉にされないままになる。決定事項は明確に見えるが、そう思えるのは、現実にぶつかるまでの束の間にすぎない。

組織心理学者のカール・ワイクは、アラインメントを「意味づけのプロセス(process of sensemaking)」として描写した。つまり、何が起こっているのか、なぜ起こっているのかを人々が理解できるようにするために、共同で意味を構築していく過程だ。そのようにして「共有された理解」が得られない場合、連携はできるかもしれないが、組織としての一貫性は生まれない。

アラインメントには摩擦が必要だ。なぜなら、理解は迎合によってではなく、議論によって深まっていくからだ。

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アラインメントを生み出す時には、人々の合意を取り付けるよりも、意思決定の背景にある理由を理解してもらうことが重要だ。この違いによって、議論の進み方は変わってくる。

まずは、仮説や前提を可視化することから始まる。戦略というものはどれも、市場や顧客、タイミング、リソースに関する信念に基づいているが、そうした信念が言語化されないままになっていると、人々は、計画についての解釈がそれぞれ異なっていても、自分たちの足並みは揃っていると考えるようになる。一方、仮説や前提を明示すれば、精査する流れが生まれ、解釈が共有されるようになる。

同じく重要なのが、目的を明確にすることだ。解決を目指す問題そのものについて意見が一致していないのに、行動については合意しているというケースが少なくない。やるべきタスクだけでなく、その意思決定の背景にある目的を理解すれば、アラインメントは強化される。

看過されがちな要素に、不確実性もある。リーダーは時に、自信を見せなくてはならないというプレシャーを感じることがある。しかし、不明な点がまだ残っていることをリーダーが認めれば、より良い思考を展開する余地が生まれ、議論して練り上げることは、妨げではなくむしろ期待されている、というサインを送ることになる。

アラインメントが育まれるのは、議論が行われなくなった時ではなく、理解が深まった時なのだ。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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