日射量の増加は、欧州の太陽光発電に使える日射が実質的に増えることを意味する
ルイス=アリアスによれば、日射の増加は欧州の太陽光発電(PV)にとって、発電に使える日射が実質的に増えることを意味する。ただし、こうした増加は今後30年で頭打ちになる可能性が高いという。
ルイス=アリアスは「日射量の変化は太陽光発電産業に大きな影響を及ぼし、プロジェクトの長期的な発電量、持続可能性、資金調達のしやすさ(バンカビリティ)に直接影響します」と付け加えた。
「エネルギー分野にとどまらず、欧州が『より明るく』なることは、利用可能なエネルギーの増加、気温上昇、降水パターンの変化を意味します」。
ルイス=アリアスは、これらの要因が社会のあり方や、農業、観光、教育を含むほぼすべての経済分野に広範な影響を与えると述べた。
クラーク大学の気候・環境・社会スクールで地球システム科学を専門とするクリストファー・ウィリアムズ教授はメールで、一般論として日光が増えれば気温は上がるが、その関係の強さは複数の要因に左右されると述べた。
同氏は、要因として、地表がどの程度光を反射するか、日光エネルギーのどれだけが蒸発による冷却に回るか、地表の熱が風によってどれほど運び去られやすいか、などを挙げた。
また、総じてエアロゾルは気候システムを冷やす方向に働くが、日光の散乱、雲量の増加、雲の反射率の変化を含む、複雑な直接・間接効果の組み合わせが関与すると付け加えた。
化石燃料を燃やすとエアロゾルの濃度が高まり、地球温暖化を一時的に覆い隠してきた
「化石燃料を燃やすとエアロゾルの濃度も高まり、これが温室効果ガスの排出による地球温暖化を控えめかつ一時的に覆い隠す効果をもたらしてきました」とウィリアムズ博士は述べる。
「大気汚染を減らしてクリーンなエネルギー源へ移行していけば、エアロゾルの量は減少し、温室効果ガスの濃度がもたらす温暖化の影響が全面的に現れて、地球はさらに暑くなると見込まれます」。
【訳注】本記事で取り上げた研究が扱う「エアロゾル汚染」は、工業排煙や農業活動など多様な発生源を含む大気汚染全般を指しており、化石燃料の燃焼に限定されない。また、ウィリアムズ博士の最後のコメントは「エアロゾルが減ると、すでに大気中に蓄積されている温室効果ガスの温暖化効果が顕在化する」という過渡期の現象を説明したものであり、「クリーンエネルギーへの移行が温暖化を悪化させる」という趣旨ではない。クリーンエネルギーへの移行が進めば、温室効果ガスの排出自体も減少し、長期的には温暖化のさらなる進行を抑える方向に働く。博士のコメントはその過程で一時的に温暖化が顕在化する局面に言及したものだ。


