欧州では脱炭素化に伴う大気汚染の改善が進んでいる。しかし、この環境改善が地表へ届く日光を増やし、温暖化を顕在化させている実態が新たな分析で明らかになった。1994年以降、エアロゾル(大気中に浮遊する微小な粒子)汚染の減少によって空が透明化し、欧州の日射量は10年あたり2%のペースで着実に増加している。
欧米の気候科学において、この微粒子が「日傘」のように日光を反射し、地球を冷却してきた「マスキング効果」は共通認識だ。専門家は、この「日傘」が失われることで生じる産業への相反する影響を指摘する。日射量の増加は太陽光発電の効率を直接的に押し上げる。一方で、覆い隠されていた熱が地表に届くことで、あらゆる経済分野に気温上昇の広範なリスクをもたらすと警告している。
エアロゾルによる冷却効果は、温室効果ガスによる本来の温暖化を一時的に緩和していたに過ぎない。我々は今、エネルギー移行の過渡期における一時的な気温上昇という、避けて通れない現実に直面している。それでもなお、クリーンエネルギーへの移行は、気候変動を根本から解決するために不可欠なプロセスである。
スペインの研究者やデータ企業Solargisが示す欧州の日射量増加
スペインのマラガ大学とムルシア大学の研究者、ならびにデータ企業Solargis(ソーラーギス)による研究によって、1994年から2023年にかけて、欧州の日射量(地表に届く太陽エネルギーの強さ)が10年あたり2%増加したことが示された。
欧州中西部は他地域より日射量の増加が大きく、直近20年間で伸びが目立つ
研究はまた、日射の増加には地域差があり、時期によってもばらつきがあったとしている。
結果によれば、欧州中西部は他地域より増加が大きく、とりわけ直近20年間で伸びが目立った。
分析では、フランス北東部、ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)、ドイツ西部などで、1994年から2023年にかけて日射量が約4%増えた。直近20年間に限ると、増加率はさらに高く(5%)なっている。



