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2026.03.04 13:00

XRグラス米シェア首位「VITURE」が半年で312億円調達、世界最大手と特許戦争のなか存在感拡大

VITUREのXRグラス「VITURE Luma Ultra」(プレスリリースより)

VITUREのXRグラス「VITURE Luma Ultra」(プレスリリースより)

XR(クロスリアリティ※)グラスを展開する「VITURE(ヴィチュアー)」は2月26日、新たに1億ドル(約156億円)を調達したと発表した。これにより、過去6ヵ月間での累計調達額は2億ドル(約312億円)を突破した。今回のラウンドは、レノボ傘下の投資会社であるレジェンド・キャピタルが主導し、ベルテルスマン・グループなどの既存投資家も名を連ねた。

今回の資金調達は、昨年9月に実施された1億ドルのラウンドに続くもので、米国ビデオディスプレイグラス市場におけるVITUREのプレゼンス拡大を背景に行われた。同社が発表の中で引用したIDCのデータによれば、2025年第3四半期の米国XRグラス出荷台数においてVITUREのシェアは28.1%に達し、MetaやRayNeo、Rokid、Xrealなどの競合各社を上回った。

「XR業界が一般消費者向けARグラスの普及を模索し続けて10年が経ち、ビデオディスプレイグラスという領域において、ようやくそれを実現した。このカテゴリーの成長を牽引するVITUREは、市場で確固たる地位を築くだけでなく、過去半年で2度にわたる1億ドル規模の資金調達を成功させたことで、投資家からもその価値を証明された形だ。今回の資金注入は、同社の強固な製品開発パイプラインを加速させ、市場への一斉攻勢をさらに勢いづけるだろう」と、調査会社ARtillery Intelligenceのチーフアナリスト、マイク・ボランドは語る。

VITUREの躍進を支えているのは、ゲーミング用途に加え、ポータブルディスプレイとしての利用シーンの拡大だ。Steam Deckやニンテンドースイッチ、ASUS ROG Allyといったデバイスの普及が、プラグインするだけで手軽にプライベートスクリーンとして使える軽量グラスへの需要を押し上げてきた。

同社は競合のXrealと法的紛争を展開しているが、IDCのデータによれば、世界市場では依然としてXrealが最大手である一方、米国市場ではVITUREがシェアで上回っている。

新たに調達した資金は、次世代製品の開発に充てられる予定だ。VITUREは2025年後半、新シリーズ「Luma」やフラッグシップモデル「The Beast」を含む第3世代の製品ラインナップを発表した。12月には、ゲーム開発スタジオのCD Projekt REDが手掛ける「サイバーパンク 2077」とコラボした限定モデル「Luma Cyber XR」をリリースした。共同創業者兼CMO(最高マーケティング責任者)のエミリー・ワンによれば、同モデルは1万台を生産したものの、予想を大きく上回るペースで完売したという。

※VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)など、現実世界と仮想空間を融合させて新たな体験を創造する技術の総称

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編集=朝香実

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