経済・社会

2026.03.02 08:30

イランのホルムズ海峡封鎖の脅しは、現実より誇張の可能性がある

ホルムズ海峡(Shutterstock)

ホルムズ海峡(Shutterstock)

免責事項:今回の論評は、著者が個人の立場で提供する見解と分析に基づき、議論を喚起することを目的としたものである。石油関連の株式、先物、オプション、またはその他の商品の取引に関する勧誘、推奨、投資助言ではない。石油市場は変動が非常に大きく、業界の見解は即座に、かつ予告なく変化する可能性がある。

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報道によれば、米国とイスラエルは2月28日(現地時間)早朝、イスラム共和国(イラン)各地への一連の戦略的攻撃を通じて、イランとの新たな直接衝突に入ったもようだ。この動きにより、ペルシャ湾からオマーン湾、そしてその先へ向かう石油・ガス輸送の重要な海上動脈であるホルムズ海峡を封鎖する可能性を示唆する一方的な声明が、イラン国内から再び出された。

同じく2月28日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ大統領は、イランに対する「大規模な戦闘作戦」が進行中だと宣言し、イラン国民に対し、テヘランの体制に対して立ち上がり、この機会を生かすよう呼びかけた

米国とイスラエルによる一連の攻撃が進む中、イランは報復として自らも反撃に乗り出し、イスラエルのほか、バーレーン、ヨルダン、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)など、主要な米空軍基地を抱える近隣諸国にも攻撃を行った。

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敵対行為が激化する中、同地域の海運事業者および英国海事貿易業務局(U.K. Maritime Trade Operations)は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が海峡の商業航行を封鎖したとの脅威を報告した。

原油価格は先月からすでに12%上昇しており、紛争が激化しホルムズ海峡で混乱が生じれば、今後数日間でさらに上昇すると見込まれる。同海峡を通過する貨物量の大きさが、イランによる報復的封鎖をめぐる市場の絶え間ない取り沙汰に現実味を与えている。

Lloyd’s List(ロイズ・リスト)によれば、サウジアラビア、クウェート、イラク、イラン、そして一定程度はUAEの原油および精製油などの液体燃料(世界で取引される原油・石油製品のおよそ30%に相当)に加え、液化天然ガス(LNG)貨物(主にカタール産で、世界のLNG取引の20%に相当)と、世界の液化石油ガス(LPG)輸送の3分の1が、毎日この海峡を通過している。

これは石油換算で日量約3000万〜3300万バレルである。この数字には、原油および石油製品の日量2100万バレル──世界供給の5分の1──が含まれる。では、イランは海峡封鎖を試みるのか。そもそも、それは可能なのか。短期間であれば確かに可能だろう。だが、おそらく実行しない理由がある。

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翻訳=酒匂寛

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