欧州

2026.03.01 12:00

ロシアによる未曾有の空襲に耐えるウクライナ 進化する防空体制の現在地

ウクライナ南東部ドニプロペトロウシク州で2026年2月22日、テスト飛行前に迎撃ドローン(無人機)「スティング」を持つウクライナ兵(Alex Nikitenko/Global Images Ukraine via Getty Images)

地上の防空部隊は航空機によって補完されている。これにはF-16などの戦闘機のほか、ヘリコプター、軽飛行機が含まれ、シャヘドを追跡して機関砲や機関銃などで撃墜している。最近の報道によると、双発ターボプロップ機のAn-28輸送機もシャヘド迎撃に投入されており、暗視ゴーグルを装着したドアガンナー(扉付近で機銃を構える射撃手)がM134ミニガンでドローンを撃ち落としている。このAn-28はすでに158機前後を撃墜した実績があるとのことだ。

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とはいえ、ウクライナによる対ドローンの取り組みで最も大きな成功は、ワイルド・ホーネッツ社のスティングのような小型迎撃ドローンを迅速に開発し、数万機を急ピッチに配備したことだろう。迎撃ドローンは1機あたり数千ドル程度と安価で、命中率は約70%に達するとされる。ウクライナ軍第1020対空ミサイル連隊に所属するドローン操縦士、コールサイン「ミヘリ(ミゲル)」は、スティングを用いて一晩でシャヘドを24機撃墜したと報じられている。

これらの迎撃ドローンの多くは、セルヒー・ステルネンコのような人物による募金活動を通じて供給されている。ウクライナ空軍によれば、現在、シャヘド型ドローンの撃墜数の30%が迎撃ドローンによるものとなっている。1年前にはゼロだったこの比率はなお上昇しており、迎撃ドローンの生産拡大と操縦士の訓練が引き続き課題となっている。

ほかの防空装備の多くも募金活動によって提供されており、スカイ・センチネルにはウクライナの公式募金プラットフォーム「ユナイテッド24」から資金が拠出されている。そのユナイテッド24はこのほど、防空能力の強化に向けた大規模な募金キャンペーン「スカイ・ディフェンス」を開始した。プロジェクトの目的は、民間人と前線で戦う軍人をともに守ることにある。

執筆時点で、ウクライナによるシャヘド型ドローンの迎撃率は84%前後となっている。ウクライナのミハイロ・フェドロウ国防相は、ミサイルとドローンの迎撃率を95%以上に引き上げる目標を掲げる。ウクライナが持ちこたえているのは、国民のレジリエンス(強靭さ)に加え、強力で急速に進化している「空の盾」のおかげでもある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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