欧州

2026.03.01 12:00

ロシアによる未曾有の空襲に耐えるウクライナ 進化する防空体制の現在地

ウクライナ南東部ドニプロペトロウシク州で2026年2月22日、テスト飛行前に迎撃ドローン(無人機)「スティング」を持つウクライナ兵(Alex Nikitenko/Global Images Ukraine via Getty Images)

現代の兵器は命中精度が格段に高い。イランで開発され、ロシアが国内で生産し、進化させているシャヘドは、低速飛行と衛星誘導のおかげで照準点から15m以内に命中させることが可能だ。この精度は、発電所や配電設備、集合住宅といった典型的な目標を攻撃するのに十分だ。シャヘドにはカメラが搭載されるようになっており、操縦士は旅客列車のような移動目標ですら精密に攻撃できる。

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ロシアの攻撃は人命の大量喪失とインフラの完全な破壊をもたらしかねない。それを防いできたのがウクライナの高度な多層防空網だ。この防空網は、高度1万8000mから時速6400kmで飛来するキンジャール極超音速ミサイルから、地上30mに満たない低空を時速190kmで飛ぶシャヘドまで、あらゆる脅威を阻止するために発展してきた。

新機軸の防空手段

この重層的な防衛は、相互に接続されたレーダーなどのセンサー類や、ミサイルやドローンを撃墜するさまざまな「エフェクター(迎撃手段)」で構成されている。

射程が最も長い防空システムは、米国などから供与されたパトリオットや旧ソ連製のS-300だ。パトリオットはウクライナで弾道ミサイルを迎撃可能なことが実証されている。

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射程80km未満の中距離システムとしては、ノルウェーと米国が開発したNASAMSやドイツ製IRIS-Tなどが運用されており、巡航ミサイルの大半を撃墜しているもようだ。

射程数kmかそこらの短距離では、各種の携行式肩撃ちミサイルのほか、英国から供与されたレイブン防空車両などが配備されている。

至近距離では、35mm機関砲2門を搭載するドイツ製ゲパルト自走対空砲が本領を発揮する。さらに、もっと古い旧ソ連製23mm対空砲や、多種多様な重機関銃も機動防空チームによって使用されている。1910年にさかのぼるマキシム機関銃でシャヘドを撃墜した事例も報告されている。

ウクライナは最近、国産のスカイ・センチネル無人銃塔も配備し始めている。このロボット兵器はレーダーとカメラで誘導され、AI(人工知能)を搭載し、24時間体制で監視し、即座かつ正確に対応できる低コストのシステムだ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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