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2026.02.28 12:21

希少性はコレクターの目に宿るのか? 人為的な希少性が台頭する

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私はITカンファレンスのためにウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートを歩き回り、楽しいアトラクションや忘れがたい体験の数々に感嘆していた。そのとき、AIが私たち全員を日常生活でより創造的にしてくれていることについて考え始めた。

いまやAIがレイテンシー(遅延)の診断やチケットの要約を担えるようになり、IT部門は企業全体の高付加価値なデジタルトランスフォーメーションに、より多くの時間を費やせるようになった。では、先進的な組織は実際のところ、最近AIをどのように活用しているのか。すべてはITから始まる。

2026年に向けた企業におけるAI優先事項

グローバルなテクノロジー企業のCEOとして、私は毎年、世界最大級の企業のITリーダー数百人と話をしている。各企業はそれぞれ異なるものの、2026年に向けた共通のIT目標を掲げているケースは多い。例えば以下のとおりだ。

・平均解決時間(MTTR)の改善:今年、企業はAIを活用してIT問題の解決時間を半減させる計画を立てている。野心的ではあるが、達成可能な目標である。

・チケット数の削減:チケットが減れば、それだけコスト削減につながる。私はある医療企業と面会したが、その企業はAIを用いてITヘルプデスクのチケットを発生させる上位2つの問題を特定・解消し、160万ドル(約2億4000万円)を節約した。

・100%データに裏打ちされた意思決定への移行:エンドポイントなどのソースから高品質データにより多くアクセスできるようになれば、より正確な予測が可能となり、より賢明な意思決定ができる。

AIでより良い成果を得る3つの方法

では、こうした希望リストを実際にどう現実に落とし込むのか。多くの組織が始めるべきだと私が考えるのは、以下の点である。

1. 予防的な意思決定に注力する

問題を事後的に対処するより、予防的に検知(そして解決)する方が、はるかに、はるかに安上がりである。AIを使ってバグ修正を先回りして適用したり、故障しやすいノートPCを特定したりすることは、未来を見通して高コストの障害を回避できるハイテクの水晶玉を持つようなものだ。

予防的なアプローチはチームの満足度も大幅に高め、定着率の向上にもつながる。絶え間ない技術トラブルへの対応に追われるのではなく、生産的に働けるようになるからだ。

AIは膨大なデータセットを分析し、人間よりはるかに速くパターンを見つけられるため、予防的なITに最適である。ただし、AIは改善を続けるために学習(トレーニング)が必要だという点は念頭に置いてほしい。人間は経験から学ぶこと(すなわち適応学習)が得意だが、この機能はAIソリューションに組み込むよう設計する必要がある。

2. 一般的な情報ではなく、文脈に基づく問題分析を使う

AIに汎用的な問題──例えば、スプレッドシートで標準的な数式を書く方法──の解決を依頼すれば、既知の解法がある一般的な課題なので、かなり正確な回答が返ってくるだろう。だが、特定の問題を解決したいなら、より多くの文脈が必要になる。

例えばプリンターが動作しない場合、AIにはプリンターのIPアドレス、ファームウェアのバージョン、ネットワークの詳細、その他のデータポイントを渡したい。AIがデバイスと環境に関するこうした情報にアクセスできれば、ユーザーやIT部門に問い詰めることなく、問題解決を支援できる。

もちろん、こうした文脈の土台となるのは高品質な独自データである。AIの大規模言語モデル(LLM)は学習に膨大なデータを要し、私の経験上、AIソリューションの導入が最も効果的な企業ほど、幅広く有用なデータソースを備えている。AI主導の世界では、データこそが最大の武器となる。

3. 環境全体に一貫して正確に適用できるワークフローを自動化する

予防的な意思決定と文脈データを得たら、次の大きな一歩は自動化ワークフローの実装である。IT向けに特化して設計されたAIには通常、これらのワークフローが含まれており、自動アクションをトリガーしたり、人による介入のために重要な担当者へアラートを送ったり(あるいはその両方を行ったり)できる。

目的は必ずしも人間をプロセスから外すことではなく、単に物事をより速く、より効率的に進めることにある。以前にも書いたとおり、真の課題(そして真の価値の源泉)は、既存のワークフローにAIを足すことそのものではなく、成果を意味のある形で変えるようにワークフローを再考する点にある。MTTRを削減したい、あるいはヘルプデスクのチケット数を減らしたいのであれば、自動化は必ずやるべきことリストに入るはずだ。

AIについてベンダーに尋ねるべき質問

AIプロジェクトに関するMITの研究では、「外部パートナーシップは内製の2倍の成功率を示す」ことが分かった。だが、適切なパートナーをどう選ぶのか。AIウォッシング(実態を伴わないAI活用のアピール)の横行とAI進化のスピードを踏まえると、AIベンダーと話す際には具体性が必要だ。私なら、次のように尋ねる。

・ツールは自社固有の環境を理解できるのか、それとも汎用的なソリューションなのか?文脈を理解し、提供モデル、アプリケーション、ネットワーク、拠点を含む環境全体を広く見渡せるソリューションを探したい。可視性の向上は劇的な成果につながる。何が起きているかを推測するのではなく、答えを得るためのデータを持てるようになるからだ。

・これらの新技術を自社に適用したとき、実際にどのような具体的なアクションが起きるのか?ある程度までは仮定の話をしてもよいが、最終的にはAIによってどのような具体的アクションが生じるのか、そして(重要なのは)それが自社の世界でどのように現れるのかを把握する必要がある。

・これらのソリューションを展開した場合の影響は何か?エンドユーザーコンピューティング(EUC)環境は非常に複雑で、可動部分が多い。私はいつも、統合こそがすべてだと伝えている。スムーズな導入とより早い成果を確実にするため、既存のものと統合できるソリューションを探したい。

AIのおかげで、1年前には不可能に見えたことが、いまや多くの組織で当たり前になりつつある。IT部門がこれらのツールを最大限に活用できるなら、本当にエキサイティングな時代である。

予防的なアクション、文脈データ、自動化ワークフローに注力することで、AIを使って収益性を高め、競争優位を築き続けることができる。

forbes.com 原文

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