経営・戦略

2026.02.28 10:57

計画倒れで終わらせない:人事施策を実現する3つのアプローチ

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新しい暦年であれ、新しい会計年度であれ、職場にはほとんど常に「再発明」の余地がある。予期していた節目がなくとも、絶えず変化する事業目標や想定外の外部要因によって、途中で調整し適応する必要が生まれる。人事やタレントアクイジションに携わる私たちにとっては、これがとりわけ当てはまる。仕事には、最も予測不能な要素である「人」が関わるからだ。

それでも、経験上、人事とタレントのリーダーは計画を立てる存在だとわかっている。これから先に何が待ち受けるのかを理解したくて、ダッシュボードを確認し、データを精査し、トレンドを分析しながら、今後数週間、数カ月、四半期、あるいは1年に合わせた行動方針をつくり上げる。こうした計画は紙の上では盤石に見えるかもしれないが、構想した内容を組織としてどう伝え、どう実行するかが、最終的には事業への総合的なインパクトを左右する。

継続して語られてきた「人事の席は経営のテーブルにあるのか」という論点を追ってきた人なら、これは容易でないと感じるはずだ。人事計画の有効性は、遅延、予算超過、従業員の抵抗、その他の起こり得る影響を回避または抑え込む力にかかっている。だからこそ、整合を取り、障害を取り除き、説明責任を保つことで、プロセスの当事者として主導権を握らなければならない。

1. 意図をそろえる

ここ数年で、予測可能性がほぼ期待できないことは明らかになった。だがそれは、人事やタレント施策を支える目標を定め、戦略を構築できないという意味ではない。より大きな環境との関係において、自社の内側で何が起きているのかを理解するための情報は十分にある。たとえば業界ベンチマークを、現状を示す材料としても、進捗の尺度としても活用すれば、チームは自分たちが先行しているのか、遅れているのか、あるいは順調なのかを見極めやすくなる。

採用プロセスを考えてみよう。手順自体はよく整理されている。惹きつけて関与を促し、スクリーニングし、面接し、選考し、オンボーディングする。しかし、働き手が出入りするなかで採用ニーズは変動する。だからこそ、こうした計画を実行に移す前に、新たな採用で何を実現したいのか、そして「良い採用」とは何かについて、全員が認識をそろえることが不可欠だ。

2. 道筋を整える

達成したいことが定まったら、次は道筋を整える段階である。まったく新しい組織でない限り、それは既存の障害を取り除くことを意味する。前方の道筋を可視化するために、「何を(what)」「なぜ(why)」「どうやって(how)」を整理して示す。何が変わるのかに応じて、検討したい問いは次のようなものだ。

• 実際に変わるのは何か。人、プロセス、プロダクトのどれか?

• 誰に、どのような影響があるか?

• 関係するステークホルダーは誰か。承認は必要か?

• 期間と範囲は?

• このプロジェクトの予算はあるか?

• 成功とはどのような状態か。どう測定するか?

• 何が抜けているか?

以前うまくいったリソースが、今回もうまくいくとは限らない。前に進む前に、使えるものを把握しておくことが重要だ。たとえばAIを活用したソリューションかもしれないし、すでに導入済みのAIを運用するための、業務委託やフルタイムの支援かもしれない。いずれにせよ、動く前に明確にしておくことだ。

3. 変革を効果的に管理する

組織の認識がそろい、道筋も整ったら、いよいよ実行である。チェンジマネジメントは、すべての計画において必要でありながら見落とされがちな要素である以上、人事・タレントチームはこの部分を確実に押さえなければならない。適用できる理論的原則はいくつもあるが、望む成果を得るためには、コミュニケーションと説明責任に注力すべきだと私は考える。

効果的なコミュニケーションは、従業員の変化疲れを抑え、ビジョンを常に中心に据え、誰もが適切な情報にアクセスできる状態をつくる。関与度合いの違いを踏まえつつ、頻度と一貫性を保って伝えることで、組織全体の信頼を維持できる。タイムライン、マイルストーン、全体のアップデート、リソースなど、比喩的な机の向こう側に自分が座っていると想像したときに役立つと思えるものは共有するとよい。

変化は多くの人にとって感情的な出来事であり、それゆえ躊躇や軽視が生まれることがある。説明責任を優先すれば、段階的な成長を祝う機会があり、努力を増幅できることを誰もが理解しやすくなる。計画の性質に応じて、自然に立ち止まり、進行中の仕事を振り返れるタイミングを探したい。可能であれば、プロジェクトマネジャーが進捗を認め、チームとともに成果を称えるとよい。称賛は燃料である。

コミュニケーションと説明責任を組み合わせることで、人事・タレントチームが組織横断で協働しつつ、実装した計画の影響を継続的に評価するための構造が生まれる。同時に、変化し続ける環境のなかで、従業員がフィードバックを寄せるためのチャンネルも開かれる。

再発明が続くいま、人事・タレントのリーダーの成功を左右するのは、未来を予測することよりも、組織をいかにうまく旅路へと伴走させるかである。共有された目標に戦略を根づかせ、チームに適切なリソースを備え、説明責任によって進捗を強化すれば、最も野心的な計画でさえ実現可能になる。測定可能なインパクトへと踏み出すことで、人事とタレントアクイジションは変化に対応するだけではない。変化を主導するのである。それは、迫り来る「働き方の未来」において、私たちのリーダーとして、そしてビジネスパートナーとしての役割を強固にする。

forbes.com 原文

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