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2026.02.28 10:01

クラウド会計への移行で予算超過を防ぐには:中堅企業が知るべき隠れたコストの正体

AdobeStock

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大手金融機関や組織であっても、価格の罠や煩雑な財務ソフトウェア移行のリスクから逃れることはできない。イングランド銀行がその好例である。同行のOracle Cloudへの移行プロジェクトでは、当初の見積もり700万ポンドが2150万ポンドへと3倍に膨れ上がった。これは計画の不備、際限なく拡大するスコープ、そして土壇場でのアプローチ変更が原因であった。適切な戦略がなければ、移行コストが驚くべき速度で上昇し得ることを如実に示している。

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同様の状況がいま、中堅市場でも起きつつある。財務チームへのプレッシャーが高まる中、組織は成長軌道に合致し、スタッフの日々の業務運用を支えるソフトウェアへ移行する選択をしている。だが、堅実な戦略と現行システムの監査がなければ、隠れたコストが忍び込み、移行はますますストレスフルになり、当初の予算を大幅に超過する事態を招きかねない。

ここ数年で、ビジネスの財務環境がより迅速でデータ主導となるにつれ、CFOの役割は戦術的なものから戦略的なものへと進化してきた。自動化と最新の財務システムは手作業のレポーティングを減らし、CFOが将来志向の洞察に注力できるようにした一方で、経済の変動性が高まり、CFOは事業戦略の中心へと押し上げられている。

こうした状況を踏まえ、クラウド移行はCFOにとって中核的な戦略手段となった。2026年、財務リーダーは、想定していなかった長期化する移行コストという余計な負担を負うことなく、可視性と統制を高められる会計ツールで業務を進めたいと考えている。多くのチームは、導入当初のレガシー会計ソフトウェアから抜け出せないか、フルスケールのERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)システムに過大な費用を支払っている。財務リーダーにとって、クラウド会計への移行を成功させる鍵は、隠れたコストがどこで生じるのかを理解し、最初から適切な戦略を整えることにある。

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必須というわけではないが、クラウド移行には、柔軟性の向上、自動アップデート、初期費用の抑制など、さまざまな利点がある。一方、オンプレミスのインフラは、データセキュリティやカスタマイズ性を高められる。ただし、とりわけ財務管理システムにおけるクラウド移行は決して容易ではなく、予算や実装プロジェクトを監督するチームに不意のコストが発生しないよう、戦略を用意しておく必要がある。

クラウド会計プラットフォームを採用する組織は、適切な計画と、クラウドシステムがもたらす利点を最大限に享受するための支援体制およびオンボーディングチームを確保しなければならない。

まず組織が明確にすべきなのは、コストが突然上昇する要因である。

価格を押し上げる要因と、その見分け方

財務・会計ソフトウェアの切り替えで予算を大幅に超過するのは、よくある問題だ。隠れた支出の大半は、次のような複数の領域から生じる。

・追加モジュールが必要となり、機能のために費用が上乗せされる

・別のソフトウェアとの追加インテグレーション管理が必要になる

・サードパーティのサポート契約

・想定外の遅延

・予期しない複雑化を修正するための追加作業

これらは、新システム導入の当初計画やデモでは織り込まれていないことがあり、イングランド銀行でさえ見落としかねないようなプロジェクトコストの増加につながる。

もう1つの重大な過ちは、非技術的コストを完全に過小評価することだ。専門人材のコストは上昇し続けており、スタッフ研修、データクレンジングや調整、さらには継続的な最適化のコストも同様に増している。

ゆえに、組織が明確な移行戦略を策定することは不可欠である。計画が不十分であれば、利用可能なキャッシュフローを圧迫、あるいは超過するコストを招きかねない。

実装前に移行の設計図を描く

明確な切り替え戦略がなければ、組織はクラウド移行プロジェクトが進行中であっても、全体を見直さざるを得なくなる。

大幅な超過支出を避けるため、組織は財務ソフトウェア移行を、全社の財務オペレーションを強化するための重要なステップとして扱うべきである。次の段階へ進む前に、特定の成長局面でソフトウェアを切り替える理由の理解を最優先し、そのうえで以下の初期ステップを踏む必要がある。

・戦略を実行に移す前に、業務負荷の全面監査を完了させる。

・移行を段階に分け、ターゲット、目標、成功の定義を明確にする。

・ユーザーがプラットフォームに習熟できるよう、詳細な動画コンテンツを含むスタッフ研修計画を優先する。

・消費量と予算を監視・追跡するためのコスト可視化ツールを導入する。

・調査と顧客の声を通じて、FSM(財務ソフトウェア管理)ベンダーを慎重に選定する。

移行に伴う隠れたコストへの最も有効な解決策は、アドオン、複雑なインテグレーション、カスタマイズの必要性を減らすオールインワンのクラウド財務管理システムを採用することにある場合が多い。このアプローチは、強力なレポーティング、明確なコスト可視性、そして構造化された実装手法も提供し、より円滑でリスクの低いクラウド移行を支援する。

本稿で提供される情報は、投資、税務、または財務に関する助言ではない。具体的な状況については、資格を有する専門家に相談されたい。

forbes.com 原文

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