多くの人はIQ(知能指数)を知的能力の絶対的基準、つまりその人の賢さを完全に把握できる数値だと考えている。しかし認知科学の研究者たちは、そうした前提にますます懐疑的になっている。
蓄積されつつある研究は「どれだけ考えられるか」と同じくらい「どのように考えるか」が重要であることを示している。そして自分の認知スタイル、すなわち情報を知覚・処理・整理する際の特徴的なパターンを理解することの方が、一般的な知能を示すスコアよりも知的強みを知るのにはるかに役立つ可能性があるという。
科学で明らかになっていることを探る前に、まず自分がどの位置にいるのかを知るといい。こちらの『Cognitive Style Test』の所要時間は約3分で、あなたの思考の傾向を個別に分析する。以下の研究が示す通り、このテストの結果はIQテストよりも自分についてずっと多くのことを教えてくれる可能性がある。
「g因子」は思うほど重要ではないかもしれない理由
心理学者チャールズ・スピアマンは20世紀初頭に知能の「g因子(一般因子)」という概念を提唱した。ある知的活動が得意な人は知的活動全般を得意とする可能性が高い、という主張だ。g因子は統計的には妥当な構成概念である一方で、それはあくまで大まかな指標にすぎない。それが測るのは「能力」であり、「方向性」ではない。
IQを自動車のエンジンの馬力になぞらえてみよう。高馬力のエンジンは素晴らしいが、その車が頑丈なオフロード車なのか、それとも精密に仕上げられたF1レースカーなのかは分からない。あなたの認知スタイルは、エンジンのパワーが実際にどのような地形で役立つかを決める車台やハンドルのようなものだ。
直近の研究では、カナダ・トロント大学の認知心理学者キース・スタノヴィッチが知能と合理性の重要な区別をしている。合理性とは明確に考え、証拠に基づいて推論し、系統的なバイアスを避ける能力だ。
スタノヴィッチは著書『What Intelligence Tests Miss』や『The Rationality Quotient』(リチャード・ウェスト、マギー・トプラクとの共著)にまとめられた研究で、IQと合理的思考能力の相関は薄いことを繰り返し示している。
知能が高い人でも他の人と同様、認知バイアスの影響を受けやすく、時にはより影響を受けやすいこともある。なぜなら知能が高い人は、直感的にすでに到達した結論を正当化するための精巧な理屈を構築することに長けているからだ。スタノヴィッチはこれを「ディスラショナリア(理性障害)」と呼ぶ。十分知能があるにもかかわらず合理的に思考・行動できない状態のことを指す。スタノヴィッチはその測定ツールの開発に長年取り組んできた。



