在イスラエル米国大使館は米国時間2月27日、ドナルド・トランプ大統領がイランへの攻撃の可能性を検討する中、職員に対し「できるだけ早く」出国するよう伝えた。これは同地域での軍事力増強と時期を同じくしている。
複数の報道によれば、在イスラエル米国大使のマイク・ハッカビーは、退避を希望する職員に対し「本日中に」出国すべきだと伝えた。一方で「パニックになる必要はない」とも述べ、この指示は「万全を期すため」に出されたものだと説明した。
米国務省は「テロや社会不安」を理由に、27日に渡航情報を更新し、国民に対してイスラエルおよびヨルダン川西岸地区への渡航を「再検討する」よう呼びかけた。また、在レバノン米国大使館も23日、緊急要員以外の全職員とその家族に退避を命じている。
米国が攻撃に踏み切った場合、イスラエルはイランからの報復で標的とされる可能性がある。
報道によれば、ハッカビーは「出国許可」の区分のもとで、大使館職員とその家族の退避費用を米国政府が負担すると述べた。この区分は「米国の国益または生命に対する差し迫った脅威がある場合」に適用される。
この指示は、米国がイランに対し核開発計画の縮小に向けた新たな合意に入るよう求めている中で出された。
過去2週間にわたり両国の当局者は複数回の協議を行ってきたが、26日に終了した最新の交渉でも解決策は発表されていない。
J・D・バンス米副大統領は26日、ワシントン・ポストに対し「終わりの見えない中東での戦争に何年も関与するという考えはあり得ない」と述べた。バンスはトランプが何を決断するかは分からないとしつつも、「われわれは皆、外交的選択肢を望んでいると思うが、それはイラン側が何をし、何を言うかにかかっている」と語った。
核開発計画に対するより厳しい制限にイランが同意しなければ攻撃を承認する可能性があるとトランプが警告する中、米国はここ数週間で、イラク戦争以降最大規模となるイラン周辺地域での軍事的プレゼンスを構築してきた。米国が攻撃に踏み切った場合、それがイラン政権の転覆をも目的とするものかどうかは不明である。トランプは2月初め、「それが起きれば最良の結果だ」と述べていた。
ハッカビーは先日、タッカー・カールソン(編集注:米国コメンテーター)とのインタビューで、イスラエルには中東の大部分を支配する権利があると示唆し、物議を醸した。カールソンが、イスラエルには「事実上中東全体を占領する権利があるのか」と尋ねたのに対し、ハッカビーは「すべてを取ったとしても構わない」と答えた。その上でハッカビーは、「それが本日ここで議論されていることではない(中略)彼らは支配したいとは思っておらず、求めてもいない」と付け加えた。
これらの発言はアラブ諸国やイスラム諸国からの反発を招き、トランプがそれらの国々に対し、イスラエルによるヨルダン川西岸地区の併合を認めないと約束していた内容とも矛盾した。ポリティコによれば、在イスラエル米国大使館はハッカビーの発言が文脈から切り取られたものだと説明している。また、ハッカビーはXへの投稿の中で、カールソンの質問を「ばかげた」ものだと批判している。



