私の「2026年版 カスタマーサービス&CX(顧客体験)調査」の結果がまとまった。1月に2000人超の消費者を対象に調査を実施し、年齢、性別など主要な人口統計に基づいて人口構成を反映するよう重み付けを行った。
冒頭の見出しの前半は素晴らしく聞こえる。顧客の83%が「満足している」と答えた。これを見れば、顧客は満足しており、全体としてカスタマーサービスとCXは改善していると思うかもしれない。だが、深掘りすると話は変わってくる。
見出しの後半は問題を警告している。全体の感情はポジティブなままだが、顧客の42%が「過去の年よりネガティブな体験が増えた」と報告しているのだ。
この質問は3年連続で追跡しており、数字は2024年の38%から2025年は40%、そして2026年は42%へと着実に増えている。望ましくない方向へ向かうトレンドである。
「顧客は概ね満足している」と考えること自体がリスクになり得る。2026年、顧客がどう考えているのか全体像を示す、ほかのいくつかの結果も見ていこう。
サービスは「簡単」であることが期待される
「企業が優れたカスタマーサービスを提供するのは簡単だと思うか?」と尋ねたところ、4人に3人(74%)が「はい」と答えた。顧客側からすれば、基本が難しいはずがないということだ。求められるのは、迅速で、親切で、役に立ち、約束を果たすこと。これが基本であり、企業やブランドがそうした根本を外すと、「できて当たり前」と顧客が思っているだけに、不満はあっという間に高まる。
カスタマーサービスは2つの要素から成る。
- プロセス、テクノロジー、ポリシーを含む「仕組み」
- 顧客と接する従業員などの「人」
どちらかが崩れれば体験は崩れる。そして顧客は、どちらが失敗したかなど気にしない。ただ「うまくいかなかった」ことだけを覚えている。
ロイヤルティには限界がある
製品がどれほど優れていても関係ない。顧客の3分の2(66%)は「どれほどその企業の製品が好きでも、サービスが良くなければ去る」と答えている。つまり、製品への愛着が企業への愛着を意味するわけではない。「うちには最高の製品がある。他にどこへ行くというのか」と思い込んではならない。それが通用するのは競合がいない場合だけであり、多くの場合、競合は存在する。
基準を決めるのは競合ではない
これは、ここ数年の年初に私が示してきた最初のトレンド/予測を思い出させるものだ。顧客はもはや、あなたを直接の競合と比較しない。代わりに、顧客が好きな企業やブランドの中で「これまでに経験した最高の体験」と比較する。Amazonかもしれないし、近所のレストランかもしれない。顧客がベンダーではなくパートナーと見なすほど優秀なB2Bのインサイドセールス担当者かもしれない。
顧客がこれまでに得た最高の体験は、その後のあらゆる体験の基準になる。あなたの体験も例外ではない。
顧客が最も期待するもの
「取引先を選ぶ際に何が最も重要か」を顧客に尋ねると、回答は期待に応える(そして満足してもらう)ために必要なものを明確に示した。
- 製品品質:ほぼすべての顧客(96%)が「購入したものは機能するはずだ」と期待している。機能しなければ、サービスやCXがどれほど良くても意味がない。
- 信頼:ほぼすべての顧客(95%)が、信頼は譲れない条件だと評価している。顧客があなたを信頼しなければ、それで終わりだ。
- 価格:過半数(約6割)がカスタマーサービスを価格より重視しているが、だからといって価格が無関係になるわけではない。ほぼすべての顧客(94%)が、どこで取引するかを決める際に価格は重要だと答えている。
- カスタマーサービス:10人中9人(91%)が、カスタマーサービスを重要な期待事項として挙げているのは心強い。
- 利便性:利便性が前年までと比べて低下した(85%)のは意外だった。その理由として、利便性がかつてのような競争上の差別化要因ではなくなった可能性がある。ただし、利便性が低いことは競争上の不利につながる。
最後に
3カ月も経たないうちに、私はQualtricsの調査として、粗悪なカスタマーサービスにより3兆ドルが危機にさらされているという記事を書いた。前年の3.7兆ドルから減少したという内容だ。潜在的な逸失ビジネスが減ったのは良いニュースであり、「顧客の83%がカスタマーサービスに満足している」という結果ともどこか似ている。だが、深掘りすると、過去の年に顧客を遠ざけたのと同じ問題が、今もなお顧客を遠ざけていることがわかる。
顧客は、頼れて満足させてくれる企業を見つけたいと考えている。顧客が求めることは難解な話ではない。機能する製品を提供すること。信頼に足ること。便利であること。さらに、感じがよく知識もある人材がそれを裏付ければ、リピートとロイヤルティの拡大に近づく。
2026年版レポートの全文では、世代による違い、信頼に関する指標、より高い金額を支払う意向などを含む、顧客を維持できる企業とできない企業を分ける要因を、より深く掘り下げている。



