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2026.03.02 12:00

ブラジル・ロシアとの決済増加、人民元シェア30%へ──国際貿易の勢力図は変わるか

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人民元国際化の推進が強まると見られる中、管理された為替レートと資本取引規制が制約に

今後を見据えると、中国による人民元国際化の推進は強まると筆者らはみており、とりわけ貿易決済が最良のユースケースであり続けるだろう。mBridgeプロジェクトはe-CNYの利用を押し上げるのに役立つが、地政学的要因がmBridgeの全体的な規模を制約するだろう。

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念頭に置くべき重要点の1つは、中国の指導部が、国際金融フローでより大きな役割を担うことよりも、金融システムに対する統制の強化を選んできたことだ。人民元国際化をめぐる議論は、管理された為替レートと、概して閉鎖的な資本勘定(資本取引規制)に必ず行き着く。北京が人民元国際化を推進してきた約16年の間、これらの制約を根本的に緩める傾向は示していない。

そう考えると、人民元の世界的利用は、ドルに直接挑戦する試みというより、政府が為替レートを設定し、資本移動を制限する能力を手放すことなく、国際金融の場で中国がより大きな席を確保する手段として捉えるのが適切かもしれない。

ドル連動型ステーブルコインの台頭が、デジタル人民元の国際的な展望に影響か

中国は長らくデジタル決済の先進国である一方、テザー(Tether/USDT)やサークル(Circle/USDC)といったドル連動型ステーブルコインの台頭は、それらが国際金融フローに深く根付けば、北京からその主導権を奪いかねない。北京はすでに、これらステーブルコインが資本規制を弱め、e-CNYの国際的採用を制限していることを懸念している。

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ステーブルコインの台頭に中国政府がどう対応するか、そしてその基盤技術を自国の目的に取り込むことができるかどうかが、デジタル人民元の国際的な展望に極めて大きな影響を及ぼすことになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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