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2026.02.27 10:28

20年のCRM挫折経験から生まれたAI関係性プラットフォーム

AdobeStock

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人間関係が「重要」を超えた意味を持つビジネスがある。それは、見過ごすことのできない決定的な生命線だ。ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ(PE)、投資銀行業務──こうした分野では、複雑で微妙なネットワークが求められる。関係性を後回しにしたり、優先順位を下げたりはできない。

それにもかかわらず、半端にしか機能しないCRMツールや類似プラットフォームが増え続けた結果、継続的なプロフェッショナルのつながりに不可欠な、一貫性のある最新情報を保つことが難しくなっている。Rings AI創業者のマーティン・ゲダリンが言うように、こうした関係性に必要なのは一度きりの取引ではなく、関係に対する継続的な投資である。

ゲダリンは、プロフェッショナルな関係資産を構成する散在した要素を1カ所に集約する方法としてRings AIを創業した。これにより、正確で最新の「唯一の信頼できる情報源(single source of truth)」が生まれ、アシスタントが途方もない規模の突合作業を延々と行うような「見えない労働」を必要としなくなる。

筆者は最近、マーティン・ゲダリンに話を聞き、質の高いプロフェッショナルな関係性をつなぎ留めるために必要な「絶え間ない人間の接着剤」(彼の言葉)をAI版としてどう実現したのかを尋ねた。返ってきた答えは、彼自身のストーリーだった。数十年にわたる個人的経験と、痛いほど理解していたニーズを満たしたいという欲求に規定された開発の旅路が、そこにはあった。以下が、その話から得られた主要な示唆である。

CRMの世界は、私たちが思うようには機能していない

CRMはありふれており、それぞれに長所と短所がある。だがゲダリンにとって、ベンチャーキャピタル業界で過ごした20年は、自分の世界で最も重要な関係性を管理するシステムが期待に応えていないことを突きつけるものだった。

それは静かな個人的苛立ちとなり、彼が自身のファンドを立ち上げたときに噴き出した。複数のCRMシステム、散らばったメモ、わかりにくいカレンダー──そして、重要でありながら断片化された関係性が、それらすべてに分散していた。

これはビジネスに直接的な悪影響を及ぼした。温度感のある見込み客は冷えていった。転職で関係性は古くなっていった。機会は取り逃がされた。スタッフは、すべてと全員の認識をそろえるために手一杯になった。

ゲダリンはやがて、これは自分やチームの欠陥ではないと気づいた。規律やワークフロー、技術を問題の原因として挙げることはできなかった。変えるべきは、関係性に対する考え方そのものだったのである。

「従来のCRMが捉えるのは一時点だ」と彼は言う。「しかし実際の関係性は、年をまたぎ、役割をまたぎ、会社をまたぎ、市況のサイクルをまたいで進化する。根本的に動的なものを、根本的に固定されたツールで管理しようとしていたのだ」

彼は、関係性に依存する複数の業界にいる同業者の間でも、これは共通の問題だと理解した。銀行、PE、コーポレート・デベロップメントといった領域の高い成果を上げる人々でさえ、成功の生命線である関係性を管理しきれていなかった。

個人と企業のネットワークの状態は、どの業界でも問う価値がある。あなたのビジネスにとって最も重要な関係性は優先事項になっているか。あなたやチームは、その生命線を適切に守り育てているか。手元にあるツールで、それはそもそも可能なのか。

ゲダリンにとって答えはノーだった。

関係性のソリューションへの投資

この気づきに対するゲダリンの反応は、ギャップを埋めることだった。彼は3年をかけて基盤づくりに投資した。信頼するパートナーとデモを重ね、自分が正しい方向に進んでいると確信した。その結果がRings AIである。

AIを活用したプロフェッショナル向け関係性プラットフォームは、従来のCRMソリューションや補助的な関係管理ツールの上に重ねて使える。ネットワーク中心のデータをすべて1つの情報源に統合し、同期・更新されたデータから自動でインサイトを引き出す。

これによりユーザーは、それぞれの関係性をリアルタイムで把握でき、自信を持って行動できる示唆を得られる。本質的には、Rings AIは「人間の接着剤」という概念を、常時稼働し常に最新の、より精緻で狙いの定まった代替手段へと置き換える。

これは、プロフェッショナルな関係管理──別の言い方をすれば「リレーションシップ・インテリジェンス」あるいはRQ──において、いかに大きな意味を持つか強調しすぎることは難しい。

Core Strengthsのプリンシパルであるティム・スカダーは、RQを「やり方を調整して相互作用をより効果的にするための洞察」と的確に要約している。

ゲダリンの目標は、自分のようなプロフェッショナルが、重要なつながりをできるだけ無駄なく、そして影響力のある形で築けるように、必要なRQツールを備えさせることだった。AIの能力が新たに、しかも加速度的に高まったことで、初めてそのギャップを埋めることが可能になり、起業家はこの機会を生かすことができた。

より良いRQによって実効性ある関係性を強化する

ゲダリンの物語が示す最大の要点は何か。関係性は職場における単なる共通項ではない。資産としての真の価値があり、時間をかけた投資と改善に値するのだ。

いま、リレーションシップ・インテリジェンスは貴社の優先事項の中でどこに位置づけられているだろうか。それらを健全に保つために、どんなツールや「人間の接着剤」を用意しているだろうか。もしその答えに満足できないのなら、集まり直して、今後より良いRQの取り組みにどう投資するかを話し合う時期かもしれない。

ゲダリンの取り組みが生んだ成果は、テクノロジー主導でありながら人間を基盤とするつながりにおいて、大きな前進を示している。Rings AIのようなツールを活用して人間同士のやり取りを高める能力は、職場で人間を置き換えるのではなく力を与えるために、人間とAIが協働すると何が起きるのか、その最新の表れである。

forbes.com 原文

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