アクセンチュアはAI導入を職務要件にした──文字どおりである。Decryptのホセ・アントニオ・ランツが伝えたところによれば、このコンサルティング大手は現在、上級スタッフによる自社AIプラットフォームへの週次ログインを追跡しており、「定常的な導入」が昇進判断に明確に結び付けられている。CEOのジュリー・スウィートは率直だ。AIに適応できない社員は「退出」させるという。顧客にデジタルトランスフォーメーションやAI統合を助言する企業にとって、このメッセージはきわめて明瞭である。言行一致を示せ、さもなくば退場させられる。退出である。
この戦略には一定の理屈がある。アクセンチュアは社内でのAI導入に巨額を投じてきた。78万人の従業員のうち55万人が生成AIを訓練済みで、学習プログラムに年10億ドルを投じ、OpenAIとAnthropicの双方と最近提携も結んでいる。顧客にAI変革を売るのなら、自社の人材がそのツールを使っているべきだ。
だが、主要指標としてログイン追跡を用いることには問題がある。頻度は能力ではなく、順守は熟達ではない。
誤ったものを測っている
マーケティングのリーダーは、この落とし穴をよく知っている。ページビュー、SNSフォロワー数、メール開封率といったバニティメトリクス(虚栄の指標)は数えやすい。望ましい方向に動いていれば、報告して気分もよい。だが、こうした指標は成果ではなく活動を測っていることが多い。ログイン頻度はAI版のそれである。観測でき、追跡できる一方で、単独の指標としては実際の価値創出を示すものとしてほとんど意味をなさない。
AIプラットフォームに1日に何度もログインして凡庸な初稿を量産し、それを使うかどうかも定かでない社員は、頻繁な利用者に見える。一方、AIをより戦略的に、より少ない回数で使って複雑なデータセットを分析し、より良い顧客提案を行う社員は、AIの導入度が低いように見えるかもしれない。ログイン回数を数えることは、成果ではなく「いること」を報いる。もちろんアクセンチュアには優秀な人材が数多くおり、より高度なAI利用の追跡も検討しているに違いない。
もう1つの問題は、システムを悪用する人間だ。経験あるマネジャーなら誰もが知っているように、特定の行動を測定可能にし、それを昇進や報酬にひも付ければ、基礎にある目的ではなく行動そのものを最適化する人が出てくる。ログイン数は増えても、真のAIリテラシーは遅れたまま、という事態も起こり得る。
CMOは代わりに何を測るべきか
マーケティング組織のAI導入戦略を構築するなら、ログインデータはよくても出発点にすぎない。より有用なシグナルには、次のようなものがある。
- アウトプット品質の変化:AI支援のキャンペーンはより良い成果を出しているか。品質を落とさずにコンテンツ制作は速くなっているか。
- タスクの置き換え:AIは実際にどの手作業の低付加価値タスクをワークフローから排除したのか。
- スキル開発:チームは効果的にプロンプトを作成できるか。AIの出力を批判的に解釈できるか。AIを使うべきでない場面を判断できるか。
- 意思決定の改善:マーケターはAIの助けで、より速く、より適切な情報に基づいて意思決定できているか。
残念ながら、これらはログインよりはるかに追跡が難しい。だが、現実世界でのインパクトこそが、追跡する価値の理由である。
AI導入が「演劇」化するリスク
アクセンチュアのアプローチは、規模を考えれば理解できなくもない。数十の市場にまたがる78万人の従業員を抱える企業では、たとえ粗い手段でも一定の役割を果たし得る。だが、より小さく、より専門性の高いチームを編成するマーケティングリーダーにとっては、成果を測らずにツール使用を義務づけることは、導入が遅い以上に悪い結果を招きかねない。「導入の演劇」を生み出すリスクがあるのだ。AIが真の能力ではなく、順守のための作業になってしまう。
AI移行で勝つ企業は、ログイン率が最も高い企業ではない。人間よりもAIが実際にうまく(あるいは速く)解決できる問題が何かを見極め、その問題に合わせてワークフローを組み立て、ログインではなく結果で人を評価する企業である。
アクセンチュアが言うとおり、AIリテラシーはリーダーシップの要件でなければならない。どの企業も同社の例から学べる。問題は、単なるログインを超えて、どのチームメンバーがAIツールを最もうまく活用しているかを最適に見極める方法である。



