物議を醸すAI音楽生成サービスのSuno(スーノ)有料加入者数が200万人を突破した。共同創業者のマイキー・シュルマンが明かした。同サービスの音楽業界からの反発が強まり、今週初めには一部のアーティスト権利団体が「Say No to Suno」と呼ばれる反対運動を開始したにもかかわらず、累計で1億人超が同サービスを利用して楽曲を制作している。
シュルマンはリンクトインへの投稿で、スーノの有料加入者数が200万人を超え、年間売上高が3億ドル(約468億円。1ドル=156円換算)に達したと述べた。また、機能が限定された無料版も提供する同サービスでの累計利用者数が1億人を超えたことも明らかにした。
シュルマンはスーノを「未来のエンターテインメント・プラットフォーム」と呼び、同社は誰もが楽曲制作のプロセスに参加できる環境を提供していると述べた。
スーノは2023年の立ち上げ以降急速に成長している。同サービスは複数の著作権訴訟や一部アーティストからの反発に直面しているにもかかわらず、ビルボードによれば、2025年11月時点での有料加入者数は100万人だった。
同報道によれば、スーノでは1日あたり約700万の楽曲が生成されているという。スポティファイで配信されている全楽曲に相当する量を2週間ごとに生み出している計算だ。
スーノは2025年11月、ベンチャーキャピタルのメンロ・ベンチャーズが主導し、エヌビディアの投資部門であるNVenturesも参加した資金調達ラウンドにおいて、24億5000万ドル(約3822億円)の評価額で2億5000万ドル(約390億円)を調達した。
今週初めには複数のアーティスト権利団体が「Say No to Suno」キャンペーンを開始し、ミュージック・アーティスト・コアリション、ヨーロピアン・コンポーザー・アンド・ソングライター・アライアンス、アーティスト・ライツ・インスティテュートなどの代表者が連名で公開書簡を発表した。署名者らは、スーノが「世界の文化的創作物を許可なくスクレイピング(収集)している」と非難した。これは、同社が著作権で保護された音楽を無断でAIモデルの学習に利用したとして提起された複数の著作権訴訟の主張と同様のものであり、そのうち1件はすでに和解している。
スーノは訴訟に対し、著作権法上のフェアユース(公正利用)の規定がAIモデルの学習を保護していると主張し、その学習を「ロック音楽を熱心に聴いて新しいロック曲を書くことを学ぶ子ども」に例えた。
上記の公開書簡はさらに、スーノによって各ストリーミングプラットフォームに「AIによる低品質なコンテンツ(AI slop)」が氾濫し、アーティストが受け取るロイヤルティが希薄化していると批判した。またこの書簡は、2025年10月に発生し、金額にして1億ドル(約156億円)を超える宝石が盗まれたルーブル美術館での強盗事件にスーノをなぞらえた。「ルーブルがみずからの警備体制を見直し続ける中、芸術分野に携わる私たちも、自らの創造性を私利私欲のために『強奪』しようとする者たちに立ち向かわなければならない」と書簡には記されている。



