北米

2026.03.05 11:30

Z世代の「脱物質主義」が小売業界に影響、米国では古着ブームに

Shutterstock.com

リサイクル・再販の動きがアパレル業界に与える影響を測ることは難しいが、理論的には非常に大きい可能性がある。たとえば、シカゴ地域のグッドウィル店舗のオンライン価格表では、古着のブレザーが約6ドル(約930円)、ジーンズが5ドル(約780円)となっている。TJMaxxやH&Mでは、女性用のベーシックなブレザーは約40ドル(約6200円)からだ。グッドウィルが販売する古着のブレザー1着ごとに、アパレル業界はその何倍もの売上を失う可能性がある。

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古着ブームは反大量消費主義的な感情を反映している。この傾向はニュースに頻繁に取り上げられ始めている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに最近掲載されたニューヨーク大学の学生による意見記事「Why Gen Z Is ‘De-Influencing(Z世代がデ・インフルエンシングをしているわけ)」はその時代精神をよくとらえているようだ。

キャロライン・ジュフラは「インフルエンサーは私たちの世代をより物質主義的にし、SNSで見た服やアパート、休暇を欲しがらせるはずだった」と 書いている。「だが実際には多くの人にとって、演出かつ誇張された富を頻繁に見せられることで物欲は強まるどころか、むしろ失われてしまった」

ジュフラはTikTok上で「過小消費」のトレンドがあり、質素な生活をしている人たちの動画が投稿されていると指摘する。「おそらくこれがデジタル時代の脱物質主義の姿だ。美を拒絶するのではなく、誇示を拒絶する」

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最近の経済ニュースが示すように経済が停滞し、消費者が慎重かつ気難しくなっている中で、小売業者やブランドはどのようにして顧客を引きつけ、維持できるだろうか。そのヒントとなる事例がスターバックスだ。かつては若年層にもてはやされる存在だったが、いつの間にか肝となる部分を失っていた。

米ブルームバーグ通信は2024年に、スターバックスが「高価格のコーヒー飲料に支出したくない顧客を失い続けている。かつて一貫していた店内体験も悪くなっている」と報じた。

スターバックスは新たな最高経営責任者(CEO)を迎え、原点回帰キャンペーンを開始した。その成果は出つつあるようだとアナリストは言う。撤去されていた座席を戻し、より人間的な空間にするために「コーヒーハウス」体験を復活させることに注力している。

損得を優先し、孤立することもある世界において、人間らしさこそが鍵だとブランドコンサルタントのルー・デュボワは話す。デュボワは昨年、米ビジネス誌インク・マガジンに寄稿し、次のように助言した。「ブランドはより人間らしく行動・運営・発信する必要がある。特に人工知能(AI)の時代において、自動化に頼らず一貫して発信することで際立つことはこれまで以上に重要だろう」。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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