グローバルチームを率い、AI搭載プロダクトをリリースし、数百万ドル規模のディールをまとめ、記録的なPR・マーケティング施策を実現する──それを、年に1〜2回程度を除いてオフィスに一度も足を踏み入れずにやり遂げ、しかも年収16万ドル以上を得る。そんな働き方を想像できるだろうか。
これは現在、ごく一部の人々にとっての現実である。
ようこそ、「世界中どこからでも働ける」リモートワークの世界へ。
この働き方は、特定の地域や都市にとどまる必要がある従来のリモートワークとは少し異なる。
出社でもない。かといってハイブリッドとも言い切れない。
いわば、いいとこ取りである。
組織やクライアント、所属部門のニーズに合った地域やタイムゾーン内であれば、世界中どこからでも働くことができる。
カフェで電話に出てもいい。近所のコワーキングスペースを選んでもいい。Airbnbから戦略イニシアチブを主導してもいい。さらには、世界のどこかへ完全に移住し、お気に入りの街で働くこともできる。
FlexJobsの最新レポートによると、58%以上のプロフェッショナルが完全リモート職を望んでおり、リモートワークは依然として人気が高く、需要も根強い。
しかし、多くのリモート職には厳格な地理的制約がある。たとえば特定分野のリモート職を検索しても、特定の州や都市、広くても自国に居住していることを求められる場合が多い。
データによると、過去12カ月にFlexJobsのデータベースに掲載されたリモート求人のうち、「どこでも働ける」リモート職の投稿は5%未満だった。極めて競争が激しい一方で、挑む価値は十分にある。
本記事では、FlexJobsのデータベースで2025年8月から2026年2月1日までに分析された6万社以上の企業と求人情報から、「どこでも働ける」リモート職の中でも特に人気の高い5職種を紹介する。高い給与と柔軟な働き方がどこにあるのかが見えてくるはずだ。
1. ソフトウェアエンジニア
2026年という時代を考えれば、これは驚くべきことではない。VC主導のAI投資やAIスタートアップの台頭により、ソフトウェアエンジニアの需要はかつてないほど高まっている。
リモート職、ハイブリッドリモート、「どこでも働ける」職を検索すれば、ソフトウェアエンジニアや開発者の職種が最も頻繁に表示されるだろう。
理由の1つは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)によれば、「どこでも働ける」働き方の広がりは特にスタートアップで顕著だからだ。スタートアップは人事やその他のスタッフを採用する前に、プロダクトとエンジニアリングの機能・チームを構築することを優先する傾向がある。そして最良の人材を求める以上、世界中からフルリモートで採用する可能性が高い(Y Combinatorのリモート求人ボードも参照)。
「現在、起業家が会社を立ち上げる場合、『どこでも働ける』ことがデフォルトの運営モデルになるのがほとんどだ」と、LSEマネジメント学部の組織行動学教授プリスウィラジ・チョウドゥリーは語る。
「そして『どこでも働ける』最大の利点は、企業がどこからでも採用できることだ。ロンドンやニューヨーク、シリコンバレーから人材を採用する代わりに、複数の国へ採用を広げられる。これにより起業家はグローバル人材にアクセスできる」
BLS(労働統計局)の需要見通し:15%増(平均的な職業成長率を大きく上回る)
年収レンジ:10万3548ドル〜14万3560ドル(専門性を高め、AI領域でスキルアップすれば、この給与帯はさらに上がる可能性がある)
2. ソーシャルメディアマネージャー
「世界のソーシャルメディア管理市場は2026年に391億4000万ドル規模に達し、2034年には1645億2000万ドルに成長すると予測されている。年平均成長率(CAGR)は19.70%だ」とFortune Business Insightsは報告している。
世界で50億人を超えるソーシャルメディアユーザーという巨大なエンジンに支えられ、この職種は社員としても、独立契約者としても、代理店経由でも担える──どの形を選ぶかは自分次第だ。もちろん、フリーランスを選べば、報酬水準や働く場所を決める選択肢は増える。
BLS(労働統計局)の需要見通し:BLSはソーシャルメディアマネージャーをPRマネージャーと同じ区分にまとめており、やや時代遅れの可能性があるため、統計が需要を適切に反映していない恐れがある。それでも、PRマネージャーのデータに基づけば需要は5%であり、この控えめな数字でも平均的な職業成長率を上回る。
年収レンジ:10万3550ドル〜13万2170ドル
3. プロダクトマネージャー
AIブームの現在、プロダクトマネージャーは極めて重要な役割を担う。スタートアップは、プロダクトマネージャーやプロダクト責任者がいなければ、そもそも形にならず、資金調達も、市場投入も難しい。プロダクトマネージャーは、プロダクト(AIアプリやSaaSツールなど)にとっての存在として、プロジェクトマネージャーがプログラムや非プロダクト型プロジェクトに対して果たす役割に相当する。
プロダクト/マーケット・フィットやローンチを確実にするうえで欠かせないだけでなく、反復改善の局面でも必要となる。ユーザーのニーズを満たし続け、適切な機能に優先順位を付けるためだ。
BLS(労働統計局)の需要見通し:現時点でBLSサイトにプロダクトマネージャーの専用セクションはない。しかし、Product Schoolによれば、LinkedInには月当たり推定1万2000件のプロダクトマネージャー求人が掲載されている。
年収レンジ:アソシエイト・プロダクトマネージャーで6万9000ドルから、CPO(最高プロダクト責任者)でおよそ29万ドルまで。実際の給与帯は、プロダクトマネジメント職の階層のどこに位置するかで決まる。
4. アカウントマネージャー
アカウントマネージャーは、顧客、特にB2B顧客の主要窓口として、顧客満足度の向上、顧客の幸福、そしてリテンション(継続利用)の確保に専念する。アカウントマネージャーは、特に次のような業界で求められる:
- テック(SaaSスタートアップなど)
- ヘルスケア
- 小売
- 代理店(マーケティング/広告、動画編集代理店など)
BLS(労働統計局)の需要見通し:今後数年間で5%増。平均的な職業成長率を上回る
年収レンジ:7万6049ドル〜12万749ドル(職位に応じて上がる。たとえばシニア・アカウントマネージャーは最大で15万9000ドルに達する場合がある)
5. データアナリスト
データアナリストは、実在の証拠とデータに裏打ちされた確信をもって、難易度の高い戦略的意思決定を可能にするため、組織にとってミッションクリティカルな存在である。
データアナリストの役割は、次のような要素に直接影響する:
- リスク
- 収益
- GTM(市場参入)とスケーリング
- 効率性
- サービス改善と反復開発
データアナリストは協働ツールやソフトウェア、AIツールやシステムを用いて仕事を進めるため、フルリモートかつ勤務地に柔軟性のある働き方に適した候補だ。さらに、コンサルタントやデータ専門家として、プロジェクト単位の契約業務をパートタイムで提供することもできる。自分のスケジュールで、世界のどこからでも働ける。
BLS(労働統計局)の需要見通し:この職種の需要は最も高い部類に入り、今後数年間で求人投稿が34%増加すると予測されている
年収レンジ:7万7980ドル〜11万6636ドル
リモートワークは競争が激しく、「どこでも働ける」職はさらに獲得が難しい。そこで、いま押さえておくべき点を2つ挙げたい。
1. 「どこでも働ける」採用企業リストを活用する
以下の企業は、「どこでも働ける」リモート職を採用している:
- Invisible Technologies
- Wikimedia Foundation
- CloudLinux
- Eliassen Group
- Xapo Bank
- Omniscient Digital
- Canonical
- Superside
- AlpacaDB
- Powered By Search
- John Locke Institute
これらの「どこでも働ける」職には共通点がある。いずれも雇用主やクライアントに対して大きな価値を創造する職種だということだ。収益創出や複雑な問題解決に直結し、人間の専門知識、リーダーシップ、判断力を必要とする──つまり、AIに代替されにくい職種である。
これが2つ目のポイントにつながる。
2. 履歴書の外側で価値を示す
- LinkedInプロフィールを、思想的リーダーシップと専門性を示す「生きた履歴書」に変える
- ポートフォリオを構築する
- 待っている間にフリーランスの顧客を獲得する
- ネットワークを能動的に広げる
あなたならできる。



