QXO, Inc.の会長兼CEOで、2025年版Forbes 400で68位に名を連ねるブラッド・ジェイコブスは、非効率が迅速かつ公然と罰せられるビジネスで富を築いてきた。機材レンタル、物流、建設資材。いずれもコストが雪だるま式に膨らみ、利益率は薄く、小さなオペレーションのミスが莫大な価値を吹き飛ばしかねない業界だ。彼が率いた2社は、この10年におけるフォーチュン500企業の中で、株式パフォーマンスの上位6位と7位に入った。過去数十年にわたり、ジェイコブスは大規模で複雑な組織を繰り返し掌握し、同世代で最も成功したCEOの一人に数えられる株主リターンを生み出してきた。
最新刊のHow to Make a Few More Billion Dollarsでは、彼が用いてきたフレームワークを明らかにしている。だが、私が「どうやってそれを実現するのか」と尋ねたとき、ジェイコブスはビジョンでも企業文化でも語り始めなかった。彼が出発点に据えたのは「摩擦」だった。
「あらゆる場所で摩擦を減らしたい」と彼は私に語った。「人々がどうコミュニケーションを取り、どう意思決定し、時間とカネがどう使われるか。そのすべてにおいてだ」
この焦点が、彼が企業を評価し、買収を統合し、組織を再設計するやり方を形づくっている。彼の見立てでは、業績不振の多くは悪い戦略から生じるのではない。不必要な抵抗、すなわちリターンを生まないのに資源を食いつぶす階層、役割、プロジェクト、習慣といった「余計な重り」から生まれる。
WOT-WOM
ジェイコブスは、組織は自然と複雑性のほうへ漂っていくと見ている。プロセスは積み上がり、役割は増殖し、会議は増えていく。やがて努力は増える一方で、成果は伸び悩む。
その漂流に抗うため、彼は自社の人々に、価値の低い仕事に異議を唱える共通言語を与えた。提案された活動は何でも「WOT-WOM(waste of time, waste of money)」──時間の無駄、カネの無駄──とラベル付けできる。口に出して言うと、悲しげなトロンボーンの効果音「womp womp」に聞こえる。おそらく偶然ではない。
「誰かが『これをやろう』と言ったら、誰でもそれがWOT-WOMかどうかを問える」とジェイコブスは言う。判定は明快だ。その活動は、オーガニックな売上成長、あるいは利益率の拡大に、直接または間接に寄与するか。寄与しないなら、止めるか、作り替える必要がある。
なぜそれが重要なのかについて、ジェイコブスは率直だ。「従業員の時間と会社のカネは有限の資源だ。マネジメントの仕事は、それをどこに使うかを決めることにある」
この考え方は、彼があらゆる投資をどう判断するかにも表れる。「自分に問いかける。これは時間とともに価値を複利で増やすか?」と彼は言う。答えがノーなら、先へ進む。
退職テスト
本の中で最も広く論じられているアイデアの一つが、ジェイコブスによるA・B・Cプレーヤーの捉え方だ。このフレームワークは、ときに冷酷、あるいは単純化しすぎだと誤解される。だが実際には、組織に「重り」が生じるのを防ぐための仕組みである。
見分けるために、ジェイコブスは単純な思考実験を使う。ある社員が彼のオフィスに来て退職を告げる場面を想像するのだ。そのときの自分の感情が、必要な情報を教えてくれる。ほっとするならCプレーヤー。軽い不安ならBプレーヤー。取り乱すほどで、その人の代替が極めて難しいと感じるならAプレーヤーである。
「Aプレーヤーは他のAプレーヤーと一緒にいるのが好きだ」とジェイコブスは言う。「刺激を受ける。より良くなる」
対照的に、Cプレーヤーは下流に損害を生み、とりわけリーダー職に就いている場合は深刻だ。ジェイコブスは、かつてのオペレーティング・パートナーの言葉を引いて簡潔に言い表した。魚は頭から腐る。トップが低い成果や不一致を許容すれば、それは組織全体へ瞬く間に広がる。
だからこそ、ジェイコブスは自社を「Cプレーヤーなしの文化」と表現する。全員が完璧だからではない。長期の低パフォーマンスが放置されないという意味である。
組織図は財務諸表である
ジェイコブスがあからさまに熱を帯びる領域があるとすれば、それは組織設計だ。彼は他の経営者が財務諸表を読み込むのと同じように、組織図を読み解く。
「組織図にはオタク的にのめり込む」と彼は言う。
彼は組織図を、株主価値を生み出すうえで過小評価されている道具だと捉える。良い組織図は、彼の見立てでは、シンプルで論理的で、数分で説明できる。1枚に収まり、会社が顧客にどう価値を提供し、どう利益を生み出すのかが明確である。
悪い組織図は、問題の兆候だ。層が多すぎる。責任が重複している。権限が曖昧だ。「ジャクソン・ポロックの絵みたいであってはいけない」と彼は私に語った。
彼が最も重視する変数は2つある。管理スパン(部下の人数)と階層の数だ。管理職の直接の部下が少なすぎれば、会社は過剰人員で動きが遅い。多すぎれば、管理職がボトルネックになる。長年の経験から、ジェイコブスは実用的な範囲を見いだしている。「スイートスポットは、だいたい直属の部下7人から14人だ」と彼は言う。
階層も同じくらい重要だ。CEOと顧客の間に1層増えるたびに、情報の流れと意思決定のスピードは鈍る。だからジェイコブスは、可能な限り少ない階層を好む。
彼は具体例を挙げた。屋根材と防水材の企業Beaconを買収した後、彼のチームは組織を9階層から4階層へとフラット化した。中間管理職および上級職を約250ポジション削減する一方で、顧客に近い領域──営業、物流、調達、テクノロジー──に資源を追加した。目的は緊縮ではなく、整合だった。
効率と緊縮の違い
ジェイコブスは、効率と緊縮を区別することに慎重だ。無駄には我慢ならない一方で、顧客体験を損なうようなコスト削減には警鐘を鳴らす。
「ときに企業はコスト管理に過度に寄りかかる」と彼は言う。その結果、サービス体験が劣化し、顧客離れを招いたり、後になって値下げを余儀なくされたりすることが多い。彼の経験では、支出を削ることだけに頼るより、サービス品質を改善するほうが、より良い財務結果をもたらすことが少なくない。顧客は信頼性と迅速な対応に報い、支出のより大きな割合をその企業に振り向ける。
誤りは、コスト削減を主たるレバーとして扱い、複数ある手段の一つとして捉えないことだという。効率は重要だが、成長を実際に動かす要因を犠牲にしてはならない。
大規模でのオーナーシップ
これらすべての根底にあるのが、インセンティブに関する彼の考え方だ。ジェイコブスは、優れたCEOは株主価値の創出において市場を上回ることが自らの中心的な仕事だと理解していると信じている。その信念が、報酬設計と持分構造の設計を左右する。
QXOでは、シニアリーダーが合計で株式の約30%を保有し、6年の期間でロックアップされている。インセンティブは、S&P 500に対する相対的な総株主リターンに直結する。この構造は長期思考を促し、複利で積み上がらない見栄えだけの改善を抑制する。
「従業員と株主の利害を一致させなければならない」とジェイコブスは言う。リーダーがそれを怠れば、いずれ必ず期待を下回ると彼は考えている。
実際には何が起きているのか
要するに、ジェイコブスは優れた人材が高付加価値の仕事に集中するのを妨げる障害を取り除く。この文脈において、彼の資産は偶然の産物ではない。複雑性を足し込むのではなく、「重り」を除くことに目を向けて下された無数の意思決定が、累積した結果である。
ジェイコブスは、大規模なリーダーシップには「もっとやる」ことが必要だとは考えない。必要なのは、少ないことを上手くやり、邪魔になるものを執拗に引き算していくことだと考えている。
マーク・マーフィーはニューヨーク・タイムズのベストセラー作家であり、基調講演者である。また、Leadership IQの創業者でもあり、研究に基づくトレーニングとエグゼクティブ・コーチングを通じて、フィードバックと実際の行動変容のギャップを埋める支援を行っている。



