「情動強度」のスコアが高い人は、フォーヴィスム(20世紀初頭のフランスで展開された前衛的な絵画運動)の強烈な色彩やルネサンス期の壮大な表現など、大胆で、見た瞬間に強い影響を受けるような芸術に引かれるとみられている。こうした人たちは、自身の直感的な反応を信じ、慎重な分析よりも本能的な反応を重視する。一方、情動強度が低い人は、見ているうちに少しずつ、どのような作品であるかわかってくるようなものを好むと考えられる。
性格と芸術運動の関連性
芸術運動は、歴史的、文化的、そして心理的な圧力に対する集団的な反応として生じる傾向がある。表現主義者たちは、ただ異なる描き方をしたのではない。現実を処理するための心理的なレンズが、新古典主義者たちとは根本的に異なっていた。
そうした運動は、その時代の創造性全体を形作るのに十分なまでに明確化した人々の心理、つまりその時代の人たちが持つ特有の、経験を整理する方法を表している。あなたが親しみを感じる芸術運動は、あなたの認知的特徴を映し出す文化的な鏡だ。
表現主義者たちがただエゴン・シーレの絵画を好むというわけではない。内なる混乱を外在化させたいという衝動に、そして完璧な技術よりも自分らしさを優先することに、共感するのだ。
一方、新古典主義者たちは、感情的な深みを増幅させるのは抑制に対する信頼感と、入念な精緻化であるという信念を、アントニオ・カノーヴァと共有する。
美的嗜好を知ることの意義
自分の美学的性格を理解することには、美術館に行くこと以上の意味がある。研究では、環境の美しさがウェルビーイングや生産性、さらには身体的な健康にも大きな影響を及ぼすとの結果が示されている。また、自分の美的嗜好に合った空間で働いている人は、ストレスが少なく、仕事への満足度や認知機能も高まる傾向があるという。
さらに、美に対する自分の認識を理解していることは、人間関係の改善にもつながる。デザインに関する好みの違いでもめているカップルは、そうとは知らずにより深い心理的な違いを乗り越えようとしていることになる。


