「ARGを誰もが知るゲームジャンルに」藤澤仁、第四境界で新市場創出│20 HOT CREATORS

藤澤仁|ARGクリエイター集団「第四境界」総監督

藤澤たちが見いだした突破口は、ふたつあった。「人の財布」のように体験を商品として販売する「パッケージ型」と、作品を無料で公開しファンを集めてIP展開につなげる「IP型」のマネタイズだ。後者に該当する「かがみの特殊少年更生施設」は、24年4月の公開以降、累計135万人超がプレイ。同作はそこから、番外編の物語と謎解きを収録した冊子の販売やコミカライズ作品の刊行へと展開していった。こうしてARGを持続可能なビジネスに変えた。

advertisement

藤澤は「ドラゴンクエスト」シリーズの制作に約20年携わり、その後独立して18年にシナリオ制作会社ストーリーノートを設立した。「『人の財布』『人の給料明細』など、見た目や商品名のインパクトだけで勝負していると思われるかもしれませんが、僕らはもともとが物語屋。作品のなかで起こる物語の設計には、とにかく妥協しません」。奇抜な入り口の先に、藤澤が得意とするプレイヤーを深く没入させる物語がある。第四境界の作品が体験者から大きな人気を博し、小説化や映画化のオファーが絶えないのは、その物語の完成度の高さゆえだ。26年には、ARG発祥の地・アメリカへの進出も視野に入れる。 

「かつてマニアの遊びだったRPGを、『ドラクエ』の生みの親で師匠でもある堀井雄二さんは、誰もが知るジャンルに変えました。僕はARGで、それと同じことを実現したい」


ふじさわ・じん◎スクウェア・エニックスで堀井雄二のアシスタントとして『ドラゴンクエスト7』以降のシナリオ制作を手がけ、『ドラゴンクエスト9』などでディレクターを務めた。2018年にストーリーノートを設立。24年に「第四境界」を本格始動させた。

advertisement

文=加藤智朗 写真=若原瑞昌

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事