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2026.02.26 08:01

露出より所有を──ハリウッドで進む新たなパワーシフト

AdobeStock

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何十年もの間、ハリウッドはクリエイターに対し「露出こそが究極の報酬だ」と信じ込ませてきた。契約を勝ち取れ。ネットワーク枠を獲得しろ。スタジオの後ろ盾を得ろ。可視性は正当性として語られ、一方で所有は「任意」あるいは「非現実的」なものとして位置づけられることが多かった。しかし私が見てきた限り、その方程式はいま逆転している。ハリウッドにおける真のパワーシフトは、もはや「誰が見られるか」ではない。「誰が所有しているか」なのだ。

私はこの変化を身をもって経験してきた。キャリアの初期、露出は前進のように感じられた。有名なロゴ、プレミア上映、配給クレジットは、勢いが生まれているという印象を与えてくれた。

だが私の見立てでは、所有を伴わない露出は脆いレバレッジにすぎない。優先順位が変わり、リーダーが交代し、プラットフォームが戦略を転換するまでは立派に見える。不可避に風景が変わったとき、残るのは所有である。

バイヤー承認と選択肢

もう1つの重大な変化は、バイヤーがいかに選別的になったかだ。いまのバイヤーは、実際にスクリーンに載るものについて極めて規律正しいと私は感じている。あらゆる企画が、複層的な精査にかけられる。視聴者データ、ブランドとの整合性、許容できるリスク、グローバルでの拡張性、そして長期的なマネタイズの可能性である。

そのプロセスを生き残るものは、ほとんどない。結果として、バイヤーの承認だけに依存することは、大半のクリエイターにとってもはや持続可能なビジネスモデルではない。

ここで、所有が方程式を根本から変える。知的財産を自分で所有していれば、単一の門番の判断に依存しない。選択肢が生まれる。コンテンツをウィンドウ展開し、選別的にライセンスし、派生展開を築くこともできる。可視性を得られる最初のオファーを受け入れるのではなく、適切な整合が得られるまで待つことも可能だ。所有は、拒絶を行き止まりではなく戦略的な一時停止へと変える。

多面性とオーディエンス・エンゲージメントの力

私の見立てでは、この環境において多面性も大きな競争優位となる。開発、制作、ブランディング、配給、マネタイズを横断して動けるクリエイターは、自らをコントロールの位置に置ける。複数領域で機能できることは、所有を維持しながら並行して収益化することを可能にする。

また、収入やレバレッジを犠牲にすることなく、執筆、監督、プロデュース、新たなプラットフォーム構築など、自分が創作時間の大半をどこに投じたいかを決める自由も得られる。

オーディエンスデータは、このシフトを補強する「結合組織」となってきた。クリエイターがたとえ小規模でも配信チャネルを自らコントロールできれば、誰が自分のオーディエンスで、どのように関与し、何がコンバージョンにつながるかを把握できる。その情報は計り知れない価値を持つ。

露出は注目をもたらすかもしれないが、所有と組み合わさったデータは交渉力を生む。可能性を約束するのではなく、エンゲージメントを示せるとき、バイヤーの反応は変わる。

オーナーのように考える

私はよくクリエイターにこう伝えている。目標は単に部屋に入ることではない。目標は、部屋が変わった後に何が起こるかをコントロールすることだ、と。番組は打ち切られる。経営幹部は去る。戦略は進化する。知的財産の所有はそれらすべてを超えて存続し、外部からの承認が消えたときに継続性をもたらす。

ハリウッドは常に露出を報いるだろうし、可視性そのものが悪いわけではない。だが私が思うに、次世代の持続的な成功は、オーナーでありオペレーターとして考えるクリエイターに属する。この時代、露出は一時的だ。所有は戦略である。そしてコントロールこそが、「選ばれる側」でいることと、自分の未来を「選ぶ側」でいることの違いになる。

実務的に言えば、オーナー兼オペレーターのように考えることは、クリエイティブ上の決断ではなく、構造上の決断から始まる。

私は、可能な限り基礎となる知的財産を保持することをクリエイターに勧めたい。たとえ、前払いの報酬が小さくなる、あるいはタイムラインが遅くなることを受け入れる必要があったとしてもだ。これには、プロジェクトごとの目的特化会社の設立、権利の連鎖(chain of title)の整理、知的財産(IP)の早期登録と保護、そして復帰権、カーブアウト、または下流の持分参加を維持できる配給・資金調達契約の交渉などが含まれる。

これと並行して、クリエイターはニュースレター、自社プラットフォーム、ソーシャルチャネルなど、データを第三者プラットフォームに全面的に明け渡すのではなく、データを獲得できる控えめだが直接的なオーディエンス接点を構築すべきだ。こうした動きは漸進的に見えるかもしれないが、総体として時間とともに複利で増すレバレッジを確立する。

同様に重要なのは、プロジェクトの周辺で価値が生まれる仕組みを多様化することだ。オーナーは単一のマネタイズ結果に依存しない。ライセンス、海外販売、ブランドパートナーシップ、派生フォーマット、あるいは所有を希薄化しない戦略的コラボレーションなど、隣接する収益機会を探る。

このマインドセットには、ストーリーテリングを超えて、ファイナンス、法的な構造、配給の仕組みに関する流暢さを身につけること、あるいはその専門性をもたらす助言者を周囲に置くことも求められる。

成功に向けたポジショニング

いまこれらのステップを踏むクリエイターは、業界の変動性をはるかに大きなコントロールの下で乗り切れる立場に自らを置ける。部屋が変わったとき、彼らは再び選ばれようとして奔走するのではない。自分の作品が次にどこで、どう生きるべきかを決めている。

結局のところ、こうした意思決定は次の契約や次のプロジェクトを切り抜けるためだけのものではない。キャリア全体を規定し、一連の作品が長く生きるのか、リーダーシップのサイクルが変わるたびに消えていくのかを決めうる。意思決定者との戦略的パートナーシップが常に重要であることは変わらないが、それは所有に次ぐものだ。関係性は扉を開くことはできる。しかし、その扉が閉じたり、部屋が組み替わったりした後に何を手にしているかを決めるのは所有である。

所有をキャリアの軸に据えるクリエイターは、時間とともに複利で増していくものを築ける。収益だけではない。影響力、信頼、そして単一のプラットフォーム、幹部、あるいは一瞬の露出とは独立して存在するレガシーである。

forbes.com 原文

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