米国時間2月25日午前、銀(シルバー)価格が数週間ぶりに90ドルの大台を突破した。1月下旬の急落後に失った上昇分を取り戻しつつあるものの、かつて120ドル超で付けた過去最高値からは依然として大きく離れている。
米東部時間午前9時25分時点の銀価格は90.68ドルで、約4%上昇している。一方で、早朝に付けた高値91.18ドルからはやや下げている。
銀は、ドナルド・トランプ大統領がケビン・ウォーシュを連邦準備制度理事会(FRB)議長候補に指名した直後の1月下旬に急落した。それ以来、高いボラティリティを維持している。25日は、銀が3週間ぶりに90ドル台を上回った日となった。
金(ゴールド)価格も25日朝に小幅高となり、0.5%上昇して5201.20ドルとなった。
暗号資産取引所Bybitのチーフ・マーケット・アナリスト、ハン・タンはロイターに対し、銀価格は「米ドル安、米国の貿易政策をめぐる見通しの混迷、そして継続する地政学的緊張」に押し上げられていると語り、銀が「過去最高値への回帰を強く望んでいる」ことを示唆した。
JPモルガン・プライベートバンクでアジアのマクロ戦略責任者を務めるユーシュアン・タンは、「上方へのブレイクアウトが形成されつつある」と述べ、関税の先行きとイラン情勢を「より持続的なシフトを促す」可能性のある2つの要因として挙げた。
銀はこの1週間で10ドル超上昇している。その背景には、米国とイランの緊張の高まりに加え、トランプの広範な関税を退けた最高裁の判断などがあり、これら要因によって下支えされてきた。銀は金曜に9%超上昇し、金属トレーダーで市場コメンテーターのタイ・ウォンはロイターに対し、最高裁の判断がトランプの関税政策をめぐる不確実性を高め、金属価格に上昇圧力をかけたと語った。
トランプは先週後半、イランへの攻撃を示唆する発言もしている。FXEMの市場調査マネジャーのアブデルアジズ・アルボグダディによれば、イラン情勢の緊張が「地政学的リスク・プレミアムを世界市場に織り込ませる」ため、金属価格の上昇につながったという。
トランプは火曜夜の一般教書演説で、関税やイランとの緊張など、貴金属価格の急騰にとって重要なテーマに言及した。最高裁判事数名と対面する場面で、トランプは自身の関税政策を退けた判断を「非常に残念だ」と表現した。さらに、別の法令に基づいて関税を再導入するとの公約を繰り返し、所得税に代えて「外国が支払う関税」を望んでいるとも述べた。
トランプはまた、米国がイランと「交渉」しているとも語った。外交を通じて緊張を和らげたいとしつつ、「世界最大のテロ支援国家である彼らが核兵器を持つことを決して許さない」と強調した。
金と銀の価格はいつピークを迎えたか
1月下旬、金は5600ドルを上回り、銀は120ドルを超えた。この高値は、トランプの関税、利下げ、テクノロジー産業における銀需要の増加、ベネズエラやイランを含む国際的緊張などに支えられた数カ月にわたる上昇局面の頂点だった。1月末、トランプがFRB議長にウォーシュを指名したことで価格は急落した。ウォーシュは、想定されていた競合候補よりも利下げに消極的とみられていた人物である。その後の数週間、金属は概してボラティリティの高い状態が続いているが、2月上旬に付けた安値からはやや持ち直している。2月上旬には、銀は71ドルまで下落し、金は約4500ドルまで下げていた。



