東京は既視感にあふれている。市場は、日本の首相が古臭い経済政策を引っ張り出すのを、あたかも何か目新しくて刺激的な動きがあるかのように歓迎している。
高市早苗首相は確かに強力な興奮の波を巻き起こしている。しかし実際には、同首相は自党が20年以上にわたって追求してきた陳腐な政策を再び公約しただけだ。自身の前任者たちには成し得なかった魔法をかけるために。これには同首相の師である、2012~20年まで首相を務めた安倍晋三元首相も含まれる。
安倍元首相自身も、ここ数十年で最も影響力のある日本の改革者である2001~06年まで首相を務めた小泉純一郎元首相の弟子だった。小泉元首相は国内最大の貯蓄銀行を運営する巨大組織である日本郵便を民営化し、銀行のバランスシートの健全化を監督した。
小泉が2006年に退くと、安倍にバトンを渡した。だが、これはうまくいかなかった。平凡でスキャンダルにまみれた政権を運営した安倍は、わずか1年で退陣を迫られた。それから6年以上を経て、安倍は経済の改革者として権力の座に返り咲いた。
安倍は2012年12月、日本が切実に必要としていた供給側革命に向けた大胆な計画を掲げ、即座に動き出した。同首相は規制緩和を推進し、労働市場を実力主義的にし、新興企業を促進し、女性の地位向上を図り、東京を中国の影から解放して世界の金融の中心地としての地位を取り戻すことを約束した。
ところが、政権を握ってから8年近くが経過したにもかかわらず、安倍はこれらの目標を1つも達成できなかった。その代わりに、同首相は財政支出を再開し、日本銀行に量的緩和政策の拡大と円安を迫った。言い換えれば、同首相は日本の借金の暴走と自由貨幣への依存を助長したのだ。まさに現在の高市首相がそうしているように。
安倍元首相には1つだけ大きな成功があった。企業に統治強化を促したことだ。日経平均株価は史上最高値を更新したが、企業幹部がその富を従業員と分かち合うことはなかった。2025年には日経平均株価が5万円を超えたが、実質賃金は年間を通じて下落した。



