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2026.02.27 10:00

ユーラシア大再編 旧ソ連諸国に対するロシアの影響力が縮小、米中は勢力拡大

アゼルバイジャンの首都バクーで会談した同国のイルハム・アリエフ大統領(右)と米国のJ・D・バンス副大統領。2026年2月10日撮影(Kevin Lamarque - Pool/Getty Images)

衰退するロシアの影響力

ロシアの南部周辺地域における影響力は、経済的緊張や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による混乱、さらに増大する軍事的制約の中で、2020年以降急激に弱体化した。ロシアの支配力が弱まる中、地域勢力が同国の権威の限界を試すとともに独自の戦略を追求していることで、状況は悪化した。第二次ナゴルノ・カラバフ紛争でトルコがアゼルバイジャンを支援したことで、ロシアが長年管理してきた均衡が覆され、アゼルバイジャンは自律性を主張することが可能になった。アゼルバイジャンの最近の報道によれば、同国はロシア主導のCISからの脱退さえ検討しているようだ。

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アゼルバイジャンは現在、CISをほぼ無関係と見なし、米国、トルコ、EUなど、外交関係の多角化を積極的に進めている。アゼルバイジャンと長年敵対していた隣国のアルメニアも同様に、ロシア以外の国々との関係構築を進めており、伝統的な依存関係に変化の兆しが見られる。中央アジア諸国もロシアの支配に対抗するため、多角的な外交政策を採用している。クレムリンの影響力が着実に低下する中、米国と中央アジア5カ国の協議枠組み「C5プラス1」などを通じて米国との連携を深化させ、国家のアイデンティティーを強化してきた。

カザフスタンとウズベキスタンは、東西を結ぶ中央回廊と、アフガニスタンとパキスタンを結ぶ補完的な南部の貿易軸を推進している。パキスタンへの働きかけは、輸出の多様化や海上アクセスのほか、南アジアや中東市場との統合に向けた戦略的推進を浮き彫りにしている。イスラム主義組織タリバン暫定政権下のアフガニスタンには課題もあるが、両国は地域経済の連携で現実的かつ成果重視の手法を追求している。カザフスタンとウズベキスタンは、タリバンが緊急に必要としている機能的な経済を利用して、新たな貿易の流れや投資機会、そして重要な地域のつながりの門番としての地位を確立しようとしている。

こうした変化は、カスピ海をまたぐ諸国が国際的な連携を多様化する余地を生み出した。米国にとっては、歴史的に影響力が限られていた地域で経済的影響力を拡大する戦略的な機会を生み出すことになる。ロシアの撤退や中国の過剰な進出、イランの不安定化を背景に、トルコ、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、パキスタンの連携は、ユーラシアの勢力図を再構築している。米国は一方的な介入ではなく、負担の分担を重視する手法を強化している。この新たな枠組みの中で、アゼルバイジャンは南カフカス、中央アジア、そして広範なインド太平洋地域を結ぶ重要な接続役を担っている。

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forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

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