摩擦を減らす「自分の取扱説明書」で理解「される」
とはいえ、文化や言語の壁がある中でのManaging Upは摩擦も生みます。文化・言語・宗教・地理等の諸条件が異なる中で、概して、欧米圏では、日本や東アジア圏と異なり、ローコンテキスト文化が強く、メッセージが明確であることから、口頭でのコミュニケーション・意思決定が主流です。私はかつて、会話に依存することによるミスコミュニケーションを防ぐために「書き言葉での確認」を徹底したところ、部下から「前のマネージャーはそんなことは言わなかった、しなかった」、「信頼されていないと感じる」などと反発を受けたことがありました。
そこで導入したのが、自分の「Leadership Style(取扱説明書)」の文書化です。
・個人的な生い立ちや家族、自分のモチベーションの源泉
・リーダーシップの哲学・スタイル、メンバーへ期待していること
・どのようなコミュニケーションを好むか(なぜ書き言葉を重視するのか)
・どのような時に「許容できない」と感じるか
これらをオープンに共有することで、部下は「上司(私)の動かし方」を理解し、不要な勘繰りや比較をすることなく、建設的な関係を築けるようになりました。
今日からできる、Managing Upの第一歩
もしあなたが「上司が自分のことを理解してくれない」と感じているなら、次の1on1でこう切り出してみてください。
「今まで一緒に働いた部下の中で、一番仕事がしやすかったのはどんな人でしたか?」
この質問一つで、長い歳月をかけることなく、上司の攻略本を手に入れることができます。人の入れ替わりが加速する現代組織においては、上司の理想像を知り、最短ルートで相互理解・信頼関係を築くことの重要性は高まっています。
日本人は本来、主体性が高く現場力に優れています。そこにこの「Managing Up」という視点が加われば、組織の力は爆発的に高まるはずです。さあ、今日から「上司をマネジメント」してみませんか?


