2026年2月8日、筆者の地元であるサンフランシスコで、世界No.1のスポーツイベントが開催された。スポーツやアメリカンフットボールにかならずしも明るくなくても、耳にしたことぐらいはあるはずである。
その世界最大のスポーツイベントとは、NFL (National Football League)の優勝決定戦「スーパーボウル」である。
以下、参考までに筆者リサーチによる世界各地で行われるスポーツイベントの経済効果一覧である(未来のものは試算)。
・2023年WBC (野球) ー 約596億円:会期2週間
・2024年パリオリンピック ー 約1兆1000億円:同17日間
・2026年FIFAサッカーワールドカップ ー 約12兆円:同40日間
・2026年スーパーボウル ー 約1兆円(過去5年の平均) :同1日
各世界的なイベントと比較しても、その経済に与えるインパクトと存在感は唯一無二である。
幸運にも筆者も、スポーツチームのオーナーであり、優秀な会社経営者である友人のアテンドという形で観戦することができた。チケット代は1人約200万円であるが、3階席。フィールド全体が見渡せる中央の席、VIP向けのゲーム前パーティー参加の権利を含めたとしても「べらぼうに高い」と表現せざるを得ない。

コミッショナーの年俸は100億円超、放映権収入1兆7000億円
このゲームを主催する世界No.1の経済圏を誇るリーグがNFL (National Football League)である。コミッショナーであるロジャー・グッデル氏の年俸は実に$63.9million、日本円に換算すれば100億円を超える。その数字だけ見てもビジネスの規模や経済ひいては社会に与える影響が計り知れるだろう。
彼らのお金の稼ぎ方、つまりビジネスモデルは日本のスポーツ業界のそれとは大きく違う。簡潔に説明するなら「放映権モデル(Broadcasting Model)」である。現在の契約(2023〜2033年)においてNFLの大手放送局(NBC, FOX, CBS, ABC/ESPN)との契約金額は、ざっくりとではあるが、1年あたり$11 billion = 約1兆7000億円である。その他スポンサーフィーやマーチャンダイズの収入を含めれば、その経営のトップが100億円の年俸をもらっても余りあるのであろう。
一つ興味深いエピソードを読者の皆様にシェアしたい。2023年にAmazon Prime VideoがNFLのThursday Night Footballの独占契約(11年/$11 billion = 約1兆7000億円)の契約を結んだ。これは普段は日曜日がメイン(毎週平均12試合)のNFLゲームが木曜日の夜に1ゲームだけ行われる、まさに(Broadcastingをメインに据え置く)NFLのビジネスモデルを象徴するイベントである。
それについてAPVのマーケティングのトップの女性のインタビューを見た際、彼女は「Amazonという会社が世界最大で最強のスポーツコンテンツをLIVEで中継する中で、どれだけのビジネスチャンスやマーケティングデータを取得できるかを考えれば、この金額は正当である」と自信に満ち溢れた表情で答えていたのを鮮明に覚えている。



