湯原:forestというプラットフォームに商品力をもったブランドが加わることで、より売れるようになるというのが我々の事業コンセプト。グループ全体の売り上げは毎年倍増していますが、M&Aによる規模の拡大だけでなく、個々のブランドも成長しています。
坂本:forestに売却後、「あとはよろしく」のような感じで離れる創業者がほとんどいないことも印象的です。
湯原:私は創業者がM&A後も残ってくれるほうが良いと思っているんです。もちろん素晴らしい商品をもつブランドであれば、我々だけでも成立はさせられるでしょう。でも、ゼロから生み出した創業者が離れると、商品から「魂」が抜けてしまう。義理人情の世界のようですが、一緒にやりたいと思ってくれるかどうかを重視しています。
坂本:普通、PEで働く人は、創業者の人に残ってもらいたいとはまず言いません。買収先の経営の大部分を変えないとうまくいかないと思っているからです。一方、湯原さんは、自分の商品に深い思い入れがあって、forestと一緒にやると、もっとよくなると信じてくれる創業者とお付き合いしている。実際、創業者が残っているブランドがM&A後に成長している点は興味深いですね。
湯原:グループに入ってくれたある創業者の方が、「forestの事業は面白いよね」と言って、売却で得た資金のほとんどをforestに出資してくれたこともありました。一方で、日本の地方の現状に目を向けると、いい商品があるのに、後継者がいなくて困っている会社も少なくありません。今後は、こうした地方での事業承継にも力を注ぎたいです。
坂本:そういう関係をつくれることは本当にすごいことですし、ビジネスとしての売り上げや利益も、概ね当初の計画通りに成長して頼もしい。我々がforestへの投資を継続しているのは、そこに最大限の評価と大きな期待をしていることの表れです。
さかもと・のりあき◎東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)代表取締役COOマネージングパートナー。経済産業省、流通事業会社副社長、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、14年UTEC参画。東京大学卒。コロンビア大学MBA取得。
ゆはら・しんご◎forest代表取締役CEO。EY新日本監査法人、モルガン・スタンレー証券、CITIC Capitalなどを経てforestを創業。フォーナインズやモリテックス(親会社)等の役員を歴任。慶應義塾大学卒、大学院大学至善館経営修士、公認会計士。


