サイエンス

2026.02.26 17:00

3月3日は皆既月食 しばしお預けの「ブラッドムーン」観望がもっと楽しくなる図解をNASAが公開

皆既月食が観測可能な地球上の地域を示したNASAのアニメーション地図「Visibility Map」。等高線は観測可能域の境界に当たり、月が本影や半影に入ったり出たりする時刻を示している(NASA's Scientific Visualization Studio)

月食の見え方をアニメーションで解説、NASA図解

NASAが公開したアニメーション地図「Visibility Map」(記事トップの画像参照)では、世界各地で月食が何時に始まり、どのように見えるのか、その推移を時系列で確認できる。月食中の月の見え方については、望遠鏡で覗いた場合の視野を再現したアニメーション図解「Telescopic View」がわかりやすい。

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月食中の月を望遠鏡で覗いた視野を再現したNASAのアニメーション図解「Telescopic View」(NASA's Scientific Visualization Studio)
月食中の月を望遠鏡で覗いた視野を再現したNASAのアニメーション図解「Telescopic View」(NASA's Scientific Visualization Studio)

月食は世界中で同時に始まるが、開始時刻はその地域のタイムゾーン(等時帯)によって異なる。NASAの図解は協定世界時を基準にしており、各地の標準時に置き換える必要がある。地球の影に対する月の動きを示した図解「Shadow View」では、半影から本影へと月が移動し、食の最大を経て食の終わりまでの段階別の時刻と見え方を紹介している。なお、米東部時間では多くの地域で皆既中に月が地平線に沈む。

地球の影の中を移動していく月の見え方の変化と、各段階の時刻を示したNASAのアニメーション画像「Shadow View」(NASA's Scientific Visualization Studio)
地球の影の中を移動していく月の見え方の変化と、各段階の時刻を示したNASAのアニメーション画像「Shadow View」(NASA's Scientific Visualization Studio)

皆既月食の経過

皆既月食は5段階で進行し、地球の影に最も深く月が入り込む「食の最大」はちょうど真ん中に位置する。

まず、月が地球の本影を囲む薄い影(半影)に入る「半影食」から月食は始まる。やがて月の一部が本影に入ると「部分食」となり、地球の濃い影がゆっくりと月の表面を横切っていき、地上からは月が欠けたように見える。

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月が完全に本影の中に入った時が「皆既食」で、その瞬間、月は赤銅色に染まる。これは、太陽光のうち波長の長い赤色や橙色の光が地球の大気を通過して屈折し、皆既中の月面を照らすためで、夕焼けと同じ現象だ。いわば世界中の夕焼けが月に投影されているといえる。

皆既月食中の月が赤く見える理由(国立天文台)
皆既月食中の月が赤く見える理由(国立天文台)

皆既食が終わると再び部分食となり、当初と逆の順序で徐々に月は通常の満月の明るさを取り戻していく。

部分食の間の月面には地球の影の湾曲した輪郭が浮かび上がり、なかなか印象的な光景なのでじっくり観察してみよう。

次の皆既月食は約2年10カ月後

今回を逃すと、地球上で皆既月食を観測できるのは2028年の大みそか(日本では2029年の元旦)までお預けとなる。北米などでは2029年6月26日まで観測できない。ただし、今年8月27~28日に食の面積が非常に大きい部分月食が北南米、欧州、アフリカで観測できる。月の90%以上が地球の影に覆われ、赤みを帯びた満月が出現するが、皆既食の鮮やかさには敵わない。

真の「ブラッドムーン」を今年堪能したいなら、3月3日の皆既月食を見逃してはならない。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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