働き方

2026.02.25 09:34

注目を集めるのはZ世代。だが危機は年長ミレニアル世代にある

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最も警戒すべき相手は、半年前に静かな退職をしたZ世代の社員だけではない。出社し、会議を回し、成果を出しながらも、もはや「何をしても意味がない」と感じている38歳のマネジャーでもある。

筆者の勤務先であるギャラップがまとめた、2020年から2025年にかけての従業員エンゲージメント低下に関する新データは、Z世代で急落が起きていることを明らかにしている。そして、この話題が議論の中心になるだろう。仕事に不満を抱く若年層。目的意識や柔軟性への期待が管理職を困惑させる世代。

重要なテーマであることは間違いない。だが、それだけでは不十分だ。データは、同じくらい注目に値する別の事実も示している。

年長ミレニアル世代、いまおおよそ37〜45歳でミドルキャリアの管理職に深く入り込んでいる層でも、Z世代とほぼ同程度のエンゲージメント低下が起きている。「上司は私を一人の人間として気にかけてくれている」と感じる割合は、年長ミレニアルで12ポイント低下し、Z世代と若年ミレニアルでは13ポイント低下した。「学び成長する機会」は両者とも11ポイント下がった。「成長を後押ししてくれる人がいる」は年長ミレニアルで10ポイント、Z世代で9ポイント低下した。

誰も心配していない世代が、誰もが心配している世代と同じ割合で仕事への関与を失っている。しかし、その帰結は比較にならないほど異なる。

2つの低下、2つの異なる診断

「自社の使命や目的は、自分の仕事が重要だと感じさせてくれる」は、Z世代で9ポイント、年長ミレニアルで8ポイント低下した。ほぼ同じ数字だが、病理はまったく違う。

Z世代は、そもそも組織の目的と結びつけなかった可能性がある。多くはパンデミック期、あるいはその後に入社し、使命が抽象的に感じられる環境で働き始めた。彼らの断絶は「伝達の失敗」である。

一方、年長ミレニアルは結びついていた。使命を信じたからこそ、その企業を選んだ人も多い。全社会議に参加し、自分のチーム会議で価値観を繰り返し、懐疑的な部下に向けて組織の目的を擁護してきた。ところが彼らは、その同じ組織が人員削減を「適正化」と呼び、出社回帰を「カルチャー」を掲げて命じ、リストラクチャリングを「アジリティ」を称えながら進めるのを見てきた。目的を失ったのではない。会議ごと、メモごとに、目的が演じられ、空洞化していくのを目の前で見せつけられたのである。

無関心と幻滅は、調査では同じ回答として現れる。しかし必要な介入はまったく異なる。受け取っていない人には目的を伝えられる。受け取り、信じ、そして組織に裏切られるのを見た人に対して、それを再建するのは容易ではない。そして、誰も見ていない方がより危険だ。

数字が実際に測っているもの

25歳が仕事から心を離すのは、組織がその人を裏切ったからではない。マネジャーが先に心を離したからである。そして、そのマネジャーが心を離したのは、組織がその人を裏切ったからだ。

ここで、次の点を考えてほしい。2025年には、ミレニアル世代がX世代を公式に上回り、労働市場で最大の管理職層になった。Z世代の社員は、これまで以上にミレニアル世代の管理職にマネジメントされている。これは好機である。だが、エンゲージメントデータが示す「いまその役割を担っている人々」の状態を踏まえると、同時に、無関心が拡大する最速ルートにもなり得る。

25歳が職場で気にかけてもらえていないと感じれば、辞める。コストは採用費だ。38歳のマネジャーが、誰も自分の成長を気にかけていないと信じるようになったとき、その損害は組織から出ていかない。増殖する。

それは、水曜午後のチームミーティングに表れる。以前は筋の通らない指示に異議を唱えていたマネジャーが、いまはコメントもなく伝達するだけになる。以前は通話後に残って苦戦するメンバーをコーチしていた人が、議題が終わるや否や退出する。彼らは悪い管理職になったのではない。「効率的」になったのだ。求められたことは正確にやる。それ以上はしない。受け取っている分だけ投資する。そして、その「受け取っている分」が、ますますゼロに近づいている。

無関心なミレニアル世代の管理職は、チームのエンゲージメントを高められないだけではない。組織生活に対して「距離を取ることこそ現実的な反応だ」と、モデルとして示してしまう。「仕事を気にかけるのは、いずれ卒業する一時期のものだ」ということの生きた証拠になる。こうしてエンゲージメント低下は自己増殖する。若手の離職によってではなく、彼らを育てる責任を負う人々が感情的に撤退することによって。

Z世代の問題だけを直し、中間層を直さないなら、症状に手当てをしている一方で、インフラは腐食していく。

情報は豊富、注意は不足

「成長を後押ししてくれる人がいる」が10ポイント低下。「進捗について話してくれた人がいる」が9ポイント低下。「上司は私を一人の人間として気にかけてくれている」が12ポイント低下。

これらの数字が示しているのは、コンテンツ不足ではない。年長ミレニアルには、キャリア助言、AI生成の育成計画、コーチングアプリ、スキル構築プラットフォーム、そして「どう成長するか」を語る巨大なコンテンツ産業へのアクセスが無限にある。歴史上もっとも情報資源に恵まれたミドルキャリア世代である。だが、彼らがますます持てなくなっているのは「人」だ。

筆者はX世代として、このパターンの以前のバージョンを経験してきた。幸運であれば、あなたが気づく前に「もう次の段階に進める」と見抜いてくれるマネジャーがいた。会議の後で脇に呼び、「何を見落としていたか、それがなぜ重要か」を伝えてくれるメンターがいた。タレントプログラムに求められたからではなく、組織を託される者として当然だという感覚から、あなたの軌道に投資してくれる人がいた。あなたは「率いられる」ことで、リーダーシップを学んだ。本人にとってそれが他人事ではなかったからだ。

育成のインフラは、人間的で、非公式で、分配は不均一だった。だが、機能するときは機能した。誰かが「あなたの成長は自分の責任だ」とみなして、実際に気にかけることを選んだからである。そして、それが責任であることを理解していたからだ。

アプリでは、この低下を埋められない。AIでも、向かいに座って「あなたの可能性が見えている。そこに到達できるように私が支える」と言うマネジャーの代わりにはならない。注意のない設計は、ただの家具にすぎない。そしてデータは、組織が家具には投資しながら、部屋を空にしていったことを示唆している。

ギャラップによれば、エンゲージメント全体は31%まで低下し、とりわけ35歳未満の管理職が最大の下落を経験している。エンゲージメントデータで「無関心な従業員」として現れる年長ミレニアルは、多くの場合、管理職データで「支援を受けていない管理職」としても現れている。同時に両側から危機を経験しているのだ。育成されるプロフェッショナルとしては放置され、人を育てる立場としては圧倒されている。

議論がいつも見誤るポイント

どの世代の無関心も、その世代の性格に帰される。X世代は「シニカル」。ミレニアルは「権利意識が強い」。Z世代は「やる気がない」。そして、その3つの結果を生み出した組織は、毎回、検証から逃れる。5世代が同じ職場で働く状況では、これは検証において決定的に重要になる。

現在の「世代論」には都合のよい作用がある。問題をシステムではなくコホートに位置づけるのだ。そうすると、組織はエンゲージメント低下を、採用の課題、定着の課題、文化的リテラシーの課題などとして扱える。最も大きな負荷を背負いながら支援は最も少ない人々を育成できていない、という構造的失敗以外の何かとして。

データはその枠組みを支持しない。示されているのは、組織の2種類の放置が同一の調査結果を生み出しているという事実である。世代で隔てられながらも、単一の因果の鎖でつながっている。

Z世代の社員に投資するのをやめたミレニアル世代の管理職は、ある朝起きて「気にかけない」と決めたわけではない。自分が気にかけられているという証拠を受け取れなくなったのだ。無関心は世代の特性ではない。組織が生み出すアウトプットである。そして最も重大な無関心は、声が大きく若く、出口に向かうそれではない。経験があり、静かで、いまも椅子に座り続けているそれだ。

forbes.com 原文

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