アジア

2026.02.25 09:00

日本が再び原子力発電を推進へ 衆院選での自民党圧勝で

新潟県柏崎市にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所。2007年7月17日撮影(Koichi Kamoshida/Getty Images)

新潟県柏崎市にある東京電力柏崎刈羽原子力発電所。2007年7月17日撮影(Koichi Kamoshida/Getty Images)

8日に実施された日本の衆議院選挙の結果は、同国のエネルギー政策の大きな転換を示唆している。自由民主党は単独で定数の3分の2を超える議席を確保し、歴史的大勝を収めた。連立与党は議席の4分の3に当たる352議席を確保しているため、参議院による拒否権を覆すことが可能となる。自民党が政策を推進できるということは、同党が提案するエネルギー政策に確実性をもたらすことになる。

エネルギー安全保障を最優先する高市首相

高市早苗首相はエネルギー安全保障を重視しており、原子力発電の推進と化石燃料の輸入依存からの脱却を掲げている。東京電力は先月末、2011年の福島第一原子力発電所事故以降停止していた世界最大級の原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所を再稼働させた。

福島の事故以前、原子力発電は日本の電力の約30%を占めていた。ところが同事故以降、日本は輸入エネルギー燃料に大きく依存するようになり、現在では石油(99.7%)、石炭(99.6%)、液化天然ガス(LNG、97.7%)のほぼ全てを海外から調達している。こうした外国への依存により、日本は価格変動や為替変動に起因するサプライチェーン(供給網)の混乱や経済的打撃にさらされている。円安による物価高の中で経済的圧力が強まり、日本の家庭と企業は光熱費の高騰にあえいでいる。高市首相のエネルギー政策は、供給の安定化や輸入依存度の低減、価格抑制を通じて経済の回復力を取り戻すことを目指している。

日本で電力価格を手頃な水準に保つことは、産業競争力にとって依然として重要だ。同時に、エネルギー転換は構造的な障壁に直面するだろう。原子力発電所の再稼働には規制当局の承認と地域社会の同意が必要である一方、資本集約的な再生可能エネルギー計画は送電網接続の遅れや建設費用の上昇に直面している。高市首相は日本の合意形成型の意思決定文化に沿い、拡張は地域の理解と環境への配慮をもって進めなければならないと認めており、これは国会の過半数でも覆せない制約だ。だが、市場は即座に反応を示した。選挙後、日経平均株価が急騰したことがその証左であり、これは自民党の政策方針に対する信頼を反映している。

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翻訳・編集=安藤清香

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