北米

2026.02.25 08:30

米物流大手フェデックス、関税返還を求めトランプ政権を提訴

Smith Collection/Gado/Getty Images

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米物流大手のフェデックスは米国時間2月23日、連邦政府に対して支払った関税の返還(還付)を求める訴訟を提起した。同社は、最高裁がドナルド・トランプ大統領の「解放の日(リベレーション・デー)」関税は違法との判決を下した後、こうした措置に踏み切った初の米国大手企業となった。

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国際貿易裁判所に提出された訴状で、フェデックスは、トランプが国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動した関税について、米国政府に支払ったすべての関税の「全額返還」を求めた。

訴状によれば、この関税は「ほぼすべての外国」に対して課されており、その中には同社が「顧客に代わって」輸入や輸送を行う国も含まれている。

フェデックスは、輸入品に課されたこれらの関税の支払い責任を自社が負っていたと主張している。

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訴状はまた、最高裁が「IEEPA関税に対する異議申し立ては国際貿易裁判所の『専属管轄』に属する」と確認しており、同裁判所には「是正措置および返還を命じる権限」があると指摘している。

フェデックスの顧客が、関税返還分の対象となるかは不透明

フェデックスへの関税返還が認められた場合、その返還分を顧客に還元するかどうかは不明である。関税コストは顧客に転嫁されていた。同社はウェブサイト上で、「輸入者としての権利を保護し、税関・国境警備局に対して関税返還を求めるために必要な措置を講じている」と説明している。ただし、現時点では「返還手続きは確立されていない」とし、今後は「関連情報や最新情報」を顧客に通知すると述べている。

関税の返還に関する最高裁の見解

最高裁は米国時間2月20日、賛成6対反対3の判断で関税を無効とした。ブレット・カバノー、クラレンス・トーマス、サミュエル・アリトの3人の判事が反対した。反対意見を書いた保守派のカバノー判事は、「近い将来に深刻な実務上の影響が生じる」と警告し、「1つの問題は返還である。数十億ドル(数千億円)規模の返還は米国財務省に重大な影響を及ぼすだろう。裁判所は本日、政府が輸入業者から徴収した数十億ドル(数千億円)を返還すべきか、また返還する場合にどのように行うべきかについて何も述べていない。しかし、その手続きは口頭弁論で認められたように『混乱』する可能性が高い」と述べた。

民主党議員、徴収額の返還を連邦政府に義務付ける法案を提出──成立の可能性は低い

23日には、エド・マーキー上院議員を中心とする上院小企業・起業家委員会(Small Business & Entrepreneurship Committee)の民主党議員らが、最高裁により無効とされた関税で徴収されたすべての歳入をトランプ政権に返還させる法案を提出した。同法案は、180日以内に利息付きで徴収額を返還することを連邦政府に義務付けるものだ。同委員会における最古参のメンバーであるマーキーは次のように記している。「トランプの違法な関税は、中小企業、消費者、家計に約1350億ドル(約20.9兆円。1ドル=155円換算)の負担を強いた。この資金は直ちに返還されなければならない。資源をほとんど持たない中小企業にとって、この返還手続きは極めて困難で時間のかかるものになり得る」。

成立する可能性が低いこの法案が、上院の共和党議員からの支持を得られるかどうかは分からない。ロイター通信によれば、仮にこの法案が上院を通過したとしても、マイク・ジョンソン下院議長はこの問題をホワイトハウスに委ねる考えを示している。彼は、「現時点で下院が本格的に関与する問題ではない」と述べている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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