教育

2026.06.11 15:15

年間受験者数400万人超、早稲田・北大も採用する「国民的資格」英検のすべて

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日本で最も広く知られる英語資格「実用英語技能検定(通称・英検)」は、1963年に「実用英語の普及・向上」を目的に創設された。公益財団法人日本英語検定協会が実施する、文部科学省後援の国内最大規模英語能力検定である。創設当初の第1回受験者数は約3万8千人。現在では年間受験者数は約400万人を超え、日本の英語教育の歴史とともに拡大してきた資格試験だ。

2024年度の受験者数は約449万人。コロナ禍で一時367万人まで落ち込んだが、その後回復し、過去6年で最多を記録した。注目すべきは、その「内訳」である。

小学校以下の受験者は2019年度の約41万人から2024年度には約55万人へと3割以上増加。2020年度の小学校英語教科化と重なり、受験の低年齢化が進んでいる。

受験者の最大層は中学・高校生で、約312万人と全体の約7割を占める。2019年度の約304万人から安定的に増加しており、依然として英検の中心的存在である。一方で、社会人など「その他」区分の受験者も増加しており、その裾野は確実に広がっている。

大学入試における英検

受験者増加の背景の一つが、大学入試での活用拡大だ。

2010年代以降、文部科学省が英語4技能評価(読む・聞く・話す・書く)の総合的評価を重要視する方針を示したことで、大学入試においても、4技能を測る仕組みへの転換が求められるようになった。その流れの中で、英検は独自の合格基準スコアである「英検CSEスコア」を導入した。このスコアは、国際的な言語能力指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)との対応関係が示されている。これにより、各級のレベルが国際基準で可視化され、大学側が活用しやすい外部検定として位置付けられていった。

2024年度入試では、英語外部検定を活用する大学・短大は558校にのぼる。数ある英語外部検定試験の中でも英検は最も広く利用されており、全国の約半数にあたる規模で導入が進んでいる。活用大学数は年々増加傾向にあり、英検は大学入試における主要な外部検定として定着しつつある。

活用方法は主に4類型に分かれる。

・「出願資格」利用

外部検定の結果が、大学側の定める一定級以上をクリアしていなければ出願できない

・「試験免除(代替)」利用

共通テストや大学個別試験の代わりに外部検定をそのまま利用する

・「みなし得点化」利用

外部検定の級やスコアに応じて、共通テストや大学個別試験の英語得点を換算する。大学の定める基準をクリアしていれば英語の得点を一定の得点(例えば満点)とみなしたりする。

・「加点」利用

取得級に応じて、共通テストや大学個別試験の英語得点に加点される。

中には準1級取得を出願条件とする大学もある。英検は単なる資格試験ではなく、入試制度の一部として組み込まれつつある。

S-CBT方式で受験機会が拡大

試験方式の変化も受験者数増加を後押ししている。

従来型は年3回実施、1次(筆記)と2次(スピーキング)の二段階制だった。一次試験合格者のみが別日に面接を受ける仕組みである。

一方、2021年導入のS-CBTはコンピューター方式で、原則毎週実施。4技能を1日で受験でき、スピーキングは録音式で行われる。同一検定回で最大3回まで受験可能だ。従来型が「年3回・2段階制」であるのに対し、S-CBTは「毎週実施・1日完結型」。さらに、受験場所も全国のテストセンターで実施されており、本会場中心だった従来型に比べて会場数が多く、日程・地域の両面で柔軟性が高い。大学入試での外部検定活用が広がる中で、取得時期や受験地を柔軟に選べる点は、入試を見据える受験生や忙しい社会人にとって実用的な選択肢となっている。

価格上昇とそれでも増える受験者

一方、検定料は長期的に上昇している。2000年代初頭と比べると、全ての級で2倍以上となっている。近年も価格改定が行われており、受験者にとって負担が軽いとは言えない。それでも受験者数は増加傾向を維持しているのは、英検が「費用」ではなく「将来への投資」として捉えられていることを示している。

文=菅谷実帆 編集=石井節子

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