リーダーシップ

2026.02.26 09:00

AI導入で従業員エンゲージメントが低下する5つの要因とその対処法

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人工知能(AI)は職場で大いに役立つ。単調な業務をこなし、効率を高め、人間の関与が本当に必要な仕事を優先するのに役立つ。同時に、AIが従業員のエンゲージメントの危機を引き起こし、仕事の未来を脅かしていることを示唆する証拠も続々と出てきている。

専門誌『Behavioral Sciences』に2025年に掲載された査読付きの研究では、職場における従業員とAIの協働が孤独感を強め、感情的疲労を悪化させ、最終的には職場でのエンゲージメントを直接損なう行動につながる可能性があることが示された。従業員もそれを感じ取っている。米労働者を対象としたピュー・リサーチ・センターの2024年の調査によると、労働者の半数以上が将来AIが仕事に及ぼす影響について不安を抱いており、全世代の33%(18〜29歳では40%)が圧倒されていると回答している。

AI導入をやみくもに推進するリーダーは、従業員エンゲージメントの中核要因である成長機会や対人スキル、人間的なつながり、そして目的意識を大きく弱体化させるリスクを負う。この記事では、AIが従業員エンゲージメントを損なう5つの要因と、良識あるリーダーが取り得る対策を解説する。

1. 若手のキャリア成長を阻む

米国、カナダ、インド、オーストラリアの労働者1874人を対象にデロイトが行った2024年の調査では、ピュー・リサーチの調査結果と同じく、若手のプロフェッショナルはベテランよりも職場でAIに関して懸念を示す傾向が強いことが明らかになった。AIに自分の仕事が取って代わられるリスクよりも懸念しているのは研修の欠如と実務を通じた学習機会の減少だった。

デロイトの調査では、キャリア初期(およびベテラン)の労働者が職場でメンターを見つけることに苦労していると報告している。皆余力がないため、若手は対人スキルを磨き、職場の力関係を理解するために必要な指導を受けられていない。こうした人は基盤が弱いために将来の機会における競争力が低下し、最終的には周囲の人にさらに負担をかけることになる。このような懸念が常に意識にある状態では、従業員のエンゲージメントは低下する。

リーダーができること:入社したばかりの人、特に若手に対して最初の90日間でチームへの統合を強化する。メンタリングが自然発生的に起こると期待するのではなく、全ての従業員にメンタリングを提供し、それらを受けられるよう時間を確保すべきだ(若手が上司を指導する「リバース・メンタリング」も含む)。現在の業務量ではメンタリングは自然には行われない。

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翻訳=溝口慈子

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