4. AIとの協働が職場の孤独を助長
2025年の学術論文『Effects of Employee–Artificial Intelligence (AI) Collaboration on Counterproductive Work Behaviors (CWBs): Leader Emotional Support as a Moderator』で示されているように、AI導入の影響の一部は間違いなく「反生産的職務行動」だ。
研究では、職場でのAI利用が孤立感や孤独感を強め、感情的疲労を悪化させ、欠勤や遅刻、個人攻撃、ハラスメント、窃盗、会社資産の破壊といった紛れもなく有害な行動につながることが明らかになった。
リーダーができること:従業員が仕事以外の交流で絆を築く機会を増やすといい。生産性と並行して、チーム内のつながりや関係性の強さを測定・追跡すべきだ。メンタルヘルス支援やコーチングに補助を出し、従業員が組織に害を及ぼす行動に至る前に、自ら孤独や孤立への対処法を身につけられるようにするといい。
5. 必須の人間的スキルが危機に
AIが急速に普及する中でも、さまざまな業界や職種、職位、組織規模の1394人を対象にデロイトが2025年に実施した調査によると、従業員の3分の2は今後2年で対人スキルの重要性がさらに高まると予測している。
『Deloitte Report: Human Skills Drive High-Performing Teams in the AI Era』にあるように、問題は自社が対人スキルと技術的なスキルの育成を同じように重視していると強く考えている従業員は42%にすぎないという点だ。上級幹部から、対人能力が技術的なスキルと同等、あるいはそれ以上に重要だという十分な理解や明確なメッセージがなければ、従業員はフィードバックのやり取りや対立の対処、合意の形成、問題解決といった能力を失う恐れがある。これらの欠如はエンゲージメントを損なう。
リーダーができること:対人スキルに特化した能力開発およびリーダーシップ開発に投資することだ。全員の研修および成長計画に組み込んで対人スキルの育成を明確にし、重視すべきだ。
エンゲージメントを犠牲にせずにAIの恩恵を
成長機会や人間的つながり、対人能力は従業員エンゲージメントを支える要素であり、それは最終的に企業の損益に直結する。AI導入がこれらの要因を損なえば従業員のエンゲージメントは低下し、仕事は誰にとっても士気をくじく苦しいものになる。
しかし悪いことばかりではない。これらの問題はすべて解決可能だ。学習と育成に投資し、人間的なつながりのための時間を確保し、生産性と並行してエンゲージメントを測定する注意深いリーダーは、従業員や中長期的な収益を犠牲にすることなくAI導入の恩恵を享受できるだろう。


