資産運用

2026.02.24 10:41

ファンダメンタル分析 vs テクニカル分析、投資家が信じるべきはどちらか

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個人投資家が拠り所とする基本的な哲学は2つあり、しばしば熱狂的ともいえる忠誠心を伴う。ファンダメンタル分析とテクニカル分析である。

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ファンダメンタル分析は、外部の経済環境の文脈において企業の財務健全性を点検し、株式の真の価値を見極めようとする手法だ。企業の資産、利益、負債、キャッシュフローを、業界の競合他社と比較して評価する。さらに、業界動向、金利、インフレ、関税といったマクロ経済要因にもとづき、収益性、成長可能性、安定性を測ることもある。ファンダメンタル分析を信奉する投資家は、長期的な成功への道筋を描けると考える。すなわち、割安株を見つけ、早期に低価格で買い、後に高価格で売るという発想である。

一方のテクニカル分析は、価格と売買活動のデータを研究し、トレンドを見つけて将来の価格変動を予測する。価格がどのように変動してきたか、一定期間にどれだけの株数が取引されたかを検証する。テクニカル分析の考え方に立つ投資家は、投資家が過去に何をしてきたかを見て、将来何をするかを判断する。

私はテクニカル分析の確固たる信奉者である。この手法に依拠するのは、予測するためではなく、反応するためだ。テクニカル分析は、企業価値に関する物語や意見に頼るのではなく、投資家の行動を測定する。私がファンダメンタル分析の主な問題だと見ているのは、個人投資家に実際のコントロールではなく、コントロールできているという錯覚を与える点である。財務諸表や過去データを分析しても、その企業の真の価値を保証したり、将来の結果を予測したりすることはできない。

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ドイツのトレーダーであり金融教育者として、ファンダメンタル分析の限界を語るとき、Wirecardの破綻が真っ先に思い浮かぶ。Wirecardはフィンテックの有望株として投資家やアナリストに早くから支持され、長年にわたり、売上、企業価値、将来性が驚異的に伸びているかのように見えた。だが2020年、その幻想は崩れ、マネーロンダリング、汚職、詐欺に関する疑惑が浮上した。

私の見立てでは、Wirecardはファンダメンタル分析の構造的弱点を露呈させた。規制当局は機能しなかった。アナリストも機能しなかった。金融市場と金融機関を監督し、規制遵守を執行するドイツの規制当局BaFinでさえ、この企業の真の価値を判断するために数字を信頼できなかったのだとすれば、個人投資家がそれを期待できるはずがない。不正な財務諸表は投資家を守れなかったばかりか、積極的に誤った方向へ導いた。このスキャンダルを「ドイツ版エンロン」と呼ぶ専門家もいる。ファンダメンタル分析は損失をうまく説明できる——たいてい、すべてが起きた後になってから。

テクニカル分析を実践に落とし込むための戦略

20年以上にわたり、積極的に取引を行いながら個人投資家を教育してきた経験から、テクニカル分析は一貫して、意見主導の意思決定を上回ると私は感じている。時間の経過とともに、この経験は、市場におけるリスク、規律、執行への向き合い方を形作ってきた。

多くの投資家は単一の手法を採用することに消極的で、ハイブリッドなアプローチを尋ねてくる。だが、ファンダメンタルとテクニカルの戦略を混ぜることは、ためらいと混乱を生むと私は考えている。投資家は、バリュエーションと価格から相反する情報に直面すると、固まってしまいがちだ。テクニカル分析から最大限の成果を得たい真剣な投資家に向けて、私は次の3つの指針に従うことを勧める。

1. どんな戦略も万全ではないことを忘れない

リスクは投資に内在している。どの戦略も、ときには機能しない。先に進む前に、どの投資においてもリスクとリターンをどの程度受け入れられるのかを判断する必要がある。想定される損失を受け入れ、素早く立て直せるか。その投資は長期の資金計画を脅かさないか。先へ進むのに十分な知識があるか。

覚えておきたい目安は2つある。リスクが定義されていないなら、それは取引ではなく賭けである。投資からきれいに撤退する計画がないなら、参入すべきではない。

2. テクノロジーに過度に依存しない

AIは投資ツールボックスの有益な一部になり得る。AIツールは、価格と出来高のデータを分析し、チャートパターンを識別し、指標のさまざまな組み合わせを、人間よりはるかに速くテストできる。しかし、フィンテックのイノベーションは不確実性やリスクを取り除けない。役に立つこともあれば、足かせにもなる。プロセスを加速し、集中と規律を保つ助けにもなる一方で、悪い癖を増幅させることもある。

市場は人間的で、感情的で、予測不能だ。フィンテックは有用なところで活用しつつも、意思決定を支配させてはならない。どの取引でも、自分自身の判断と批判的思考を適用する必要がある。

3. 自分の前提を疑う

価格データが投資に関する自分の仮説と矛盾するなら、その仮説を見直すべきだ。自分の信念の欠陥やひび割れを点検する。なぜそう考えるのか。その理論を裏づける証拠として何を示せるのか。企業についての物語に過度に依存する取引には懐疑的であるべきだ。迷ったら、既知の事実へ立ち戻る。価格と出来高のデータは何を語っているか。その情報から投資家行動や取引機会について、どんな結論を導けるか。

私の経験では、多くの投資家が負けるのは情報が足りないからではない。現実を受け入れようとしないからだ。私は、テクニカル分析を現実を映し出す鏡として使うことを投資家に勧めている。信念ではなく価格にもとづく意思決定を強いるからこそ機能する。そして言い訳を取り除くため、不快でもある。

forbes.com 原文

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