政治

2026.02.24 12:30

ウクライナ侵攻から4年、露軍死傷者120万人「米軍0人の戦略」が招く代償と制御不能な核のリスク

ウクライナ西部リビウにあるウクライナ軍の戦没者墓地で、戦死した兵士を追悼して墓に掲げられた無数の国旗。2026年2月21日撮影(Mykola Tys/Global Images Ukraine via Getty Images)

ウクライナ西部リビウにあるウクライナ軍の戦没者墓地で、戦死した兵士を追悼して墓に掲げられた無数の国旗。2026年2月21日撮影(Mykola Tys/Global Images Ukraine via Getty Images)

ちょうど4年前の2022年2月24日、ロシアはウクライナへの全面侵攻に踏み切った。以来、ロシア軍は120万人を超える死傷者を出している。ウクライナ軍の人的損失はその約半数とみられる。5年目に突入するウクライナ戦争について、米ブルッキングス研究所は「消耗戦であり、犠牲が増えるばかりの膠着状態」と評する。実際、この戦争は第2次世界大戦中にナチス・ドイツとソビエト連邦が戦った独ソ戦よりも長く続いている。

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多くの米国人は戦争が始まったのは2022年だと考えているが、実際には12年前の2014年、ロシアによるクリミア併合とウクライナ東部占領に端を発している。ゆえにいかなる客観的基準で測ろうとも、ウクライナ戦争は長期戦であり、欧州の国境線が再び武力によって変更されるのを許すか否かがかかった決定的な試練なのである。

実際に何が起きているのか、状況をよく理解するためには、いくつかの点をはっきりさせておく必要がある。

ドナルド・トランプ米大統領が何をどう信じていようと、戦争が始まったのはロシアがウクライナを攻撃したからであって、その逆ではない。また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、米国の友人ではない。むしろ米国を破壊しようとしている人物だ。プーチンは独裁者であり、ロシアには自由な選挙はおろか、自由そのものすら存在しない。

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疑うなら、アレクセイ・ナワリヌイ、エフゲニー・プリゴジン、アンナ・ポリトコフスカヤ、アレクサンドル・リトビネンコ、セルゲイ・マグニツキー、ボリス・ネムツォフらの死について調べてみるといい。皆、プーチンやクレムリン(ロシア大統領府)、ロシアの国家体制に異議を唱えたり、批判したり、逆らったりした後に命を落とした。殺害された人もいれば、不審な状況で死亡した事例もある。

ロシア・ウクライナ戦争に関しては、米政府・議会におけるウクライナ支援をめぐる議論を根本から仕切り直すべき事実がひとつある。この戦争で、戦闘により死亡した米兵は1人もいない、ということだ。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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