こうした違いは、各国の報奨金制度が大きく異なることを浮き彫りにしている。例えば、一部の国では団体競技の選手への報奨金が低く設定されているほか、個人選手が受け取ることのできる報奨金額に上限を設けている国もある。資金源も国内オリンピック委員会や政府のほか、スポンサーなどさまざまだ。
フォーブスの計算は上位3位までのメダリストに限定されているが、一部の国では表彰台から大きく外れた順位でも報奨金が支払われる。例えば、キプロスの場合は16位までが報奨金の対象となるが、今大会に同国から出場した2人のスキー選手は、それぞれの種目で16位以内に入ることはできなかった。
フォーブスの算出には、コーチへの報酬やメダリストへの非金銭的給付は含まれていない。例えば、ポーランドの個人金メダリストには、上記の現金による報奨金に加え、家具付き2部屋アパート、トヨタ製カローラ、絵画、旅行券、800ドル(約12万円)相当の宝飾品などの現物支給が約束されている。
とはいえ、全ての国がメダリストに報奨金を支給しているわけではない。例えば、英国とアイルランドは、エリート選手に対して助成金やトレーニング手当を提供しているが、五輪での成績に直接連動した報奨金は支給していない。
これとは対照的に、イタリアは7日のアルペンスキー男子滑降でジョバンニ・フランツォニが2位、ドミニク・パリスが3位に入賞するなど、大会初日からメダル獲得に向けて全速力で突き進んできた。同国の選手は2025年度予算法により、メダル報奨金が非課税となる恩恵も受ける。このような措置は他国でも一般的で、米国では年間総所得が100万ドル(約1億5500万円)未満の場合、五輪選手のメダル報奨金には連邦税が課税されない。
今回の冬季五輪の競技種目は116種目で、2024年パリ大会の約3分の1と、夏季五輪と比べると小規模であり、イタリアの支出はある程度抑えられている。同国はパリ五輪で40個のメダルを獲得しており、フォーブスはイタリアの同大会のメダリストへの報奨金総支給額を1070万ドル(約17億円)と算出した。
だが、今もなお、同国の支払額は増え続けるものとみられる。3月6日にはパラリンピックが開幕し、イタリア・パラリンピック委員会(CIP)は金メダルに約11万8000ドル(約1800万円)、銀メダルに約6万5000ドル(約1000万円)、銅メダルに約4万1000ドル(約630万円)の報奨金を支給する方針だ。


