リーダーシップ

2026.02.23 23:31

資金繰りの焦りで和解を急ぐべきでない理由

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マーク・ベルーキム氏は、原告向けの和解前リーガルファンディングと医療リジエン(先取特権)を手がけるリーダー企業であるHigh Rise FinancialのCEO兼共同創業者である。

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訴訟の世界では、とりわけ当面の資金繰りに救済が必要な場合、急いで決めたくなる衝動は理解できる。しかし、私が事業オーナーに常に伝えている助言の1つは、重要な検討事項が十分に評価される前に、いかなる判断も急がないよう注意することだ。

というのも、リーガルファンディング企業のCEOという立場で繰り返し目にするのは、運営上・財務上・評判上のトレードオフについて指導者が全体像をつかむ前に、早期の和解協議が始まってしまうというパターンである。総じて、腰を据えたアプローチと、拙速な和解がもたらす長期的な影響とリスクを理解する姿勢が必要だ。

急いだ場合、何が起きるのか

起業家やビジネスリーダーとして、私たちは周囲が気づきにくいプレッシャーの下で意思決定を行っている。例えば、早期和解によって解消できそうに見えるキャッシュフロー逼迫のリスクだ。それでも、その訴訟の和解を急ぐべきでない主要な理由がいくつかある。

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長期的にはより大きく失う

被告が、裁判所の判断を待つよりも今払いたがるのは、たいてい1つのことを意味する。法廷で責任が認定されれば、はるかに多くの支払いを迫られる可能性が高いことを、被告自身が認識しているということだ。

提示される早期の支払いは、しばしば請求している補償額より低く、目先の請求書の支払いには足りても、長期の回復に伴う費用の価値全体をカバーしないことがある。ただし、最終的には相手が抱える係争中の案件にも左右されるため、最適な法的アプローチをとるには弁護士とのコミュニケーションが不可欠である。

勝訴につながる証拠と交渉力が見落とされ得る

私は、拙速な和解判断を、拙速な口論に例えることがある。人はその場を去ってから、議論を締めくくるのに有効だったはずの良い論点を思い出す。訴訟も同じだ。

ビジネスリーダーとしての焦りは、意思決定にとって好ましくない。証拠の積み上げが不十分になるリスク、損害評価の不正確さ、そして相手方が自らの行為について十分な責任を負わないまま逃れてしまうことを、私たちは招きやすくなる。

負債を抱えるか、事業を危険にさらすおそれがある

拙速な和解を別の角度から見れば、財務上の負債の問題がある。特に、訴訟費用を個人資金で賄っている場合だ。証拠が不十分で敗訴したらどうなるのか。借入金を返済するための和解金が得られない場合や、担保にしていた事業資産がある場合には、破産のリスクも生じる。

個人の資金投入が常に必要だった事業は、継続が困難になる可能性がある。だからこそ、民事訴訟の和解を急がないための解決策を私は勧めている。

ストレスを乗り越える方法

法的請求を抱えるビジネスリーダーとして、感情的なプレッシャーと財務上の責任のバランスを取る術を身につけなければならない。補償を巡る訴訟において、個人と事業の双方の利益を守る際のストレスを乗り越えるための、体系的なアプローチを以下に示す。

すべての証拠を適切に文書化する

警察報告書、医療記録、専門家証人の陳述など、あらゆる証拠を慎重に取りまとめる。相手方によって生じた傷害や損失から回復するには、文書によって支えられたうえで、法的プロセスを信頼することがしばしば求められる。

個人の資金と事業資金の間に明確な境界を設ける

個人の財務判断と会社資産を切り分ける必要がある。自社と他の組織の間で直接生じた法的紛争であっても、事業用の与信枠や会社の資産を、借入の保証として用いることは避けたい。そうしなければ、従業員への支払いと日々の事業運営に対する潜在的な悪影響が、あなたを圧倒しかねない。

事業に関わる意思決定は法務・財務チームと共有する

複雑な意思決定には、専門家の支援を組み込むことが重要だ。キャッシュフローの懸念、訴訟のタイムライン、和解に対する期待について、ファイナンシャルアドバイザーや企業法務弁護士に共有することも含まれる。信頼できるリーダー陣との共同意思決定は、情緒的な支えと実務的な洞察のバランスを取り、ストレスの軽減に役立つ。

資金面の緩衝材としてコンシューマー向けリーガルファンディングを検討する

コンシューマー向けリーガルファンディング(訴訟ローンと呼ばれることもある)は、従来型の銀行融資より安全な選択肢である場合が多い。信用調査はなく、収入要件もなく、担保の差し入れ義務もない。代わりに、案件の内容が優先され、返済は個人や事業の資産から行われることはない。つまり、敗訴しても負債にはならない。いかなる判断をする前にも、弁護士と相談してほしい。

金銭的プレッシャーなしに和解を判断する

私たちは判断を急ぐと損をしがちであり、忍耐強いアプローチと戦略的な計画によってより多くを得られる可能性がある。拙速な和解を避けることは、必要に迫られてではなく、強い立場から交渉することを意味する。私の経験では、これにより案件の評価はより正確になり、あらゆる証拠が適切に検討され、最大限の和解に至る可能性が高まる。

ここに記載された情報は法的助言ではなく、特定の事案について弁護士の助言に代わるものでもない。法的助言が必要な場合は、自身の状況に関して弁護士に相談すべきである。

forbes.com 原文

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