リーダーシップ

2026.02.24 14:00

ウィキペディアが25年間も続く理由、創設者が語る「信頼ベース」の組織論

de-nue-pic - stock.adobe.com

de-nue-pic - stock.adobe.com

長く続くものを築くには、何が必要なのだろうか。

advertisement

ジミー・ウェールズは20年以上にわたり、その問いに現場で答え続けてきた。いまや地球上で最もアクセスされるウェブサイトの1つとなったウィキペディアの創設者であり、『The Seven Rules of Trust: A Blueprint for Building Things That Last』の著者でもあるウェールズは、規模の大きい環境で信頼がどのように機能するかについて、静かに最も影響力のある思想家の1人になった。分断、誤情報、そして制度への懐疑によって特徴づけられる世界において、彼の考えは理論というより、より切迫したものとして響く。

ウィキペディアの到達範囲だけでも驚異的だ。英語版は毎月、数十億のページビューを集め、世界中にある何百もの独立した運営体制の版に支えられている。だが、その土台は驚くほどシンプルなものに基づいている。それは、ボランティアを信頼することだ。この選択は、ウェールズによれば、当然でもなければ、リスクのないものでもなかった。

「90年代後半から2000年代初頭にかけてインターネットは非常に刺激的で、いろいろなことが起きていた。しかし私が欠けていると感じたのは百科事典、それも自由な百科事典だった」とウェールズは説明する。オープンソースソフトウェアの共同作業のエネルギーに触発され、同じモデルはコード以外にも通用すると彼は信じた。「そうした協働は、ソフトウェアに限らず、あらゆるものに広げられると気づいたのだ」

advertisement

初期の試みであるNupedia(ヌーペディア)は、統制の重みに耐えられず失敗した。「最初期の最大の誤りは、厳格なトップダウンの統制プロセスが必要だという思い込みだった」とウェールズは言う。「システムの感触そのものが『私たちはあなたを信頼していない』だった」。コンテンツは7段階の審査プロセスをのろのろと通過していった。何もスケールしなかった。その前提を反転させたとき、ウィキペディアが生まれた。

「最善を前提にする」とウェールズはシンプルに言う。ウィキペディアでは、この原則を「善意にとる(assume good faith)」と呼ぶ。

次ページ > 信頼は単なる道徳的立場ではない。運用そのもの

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事