Stacey Walkerは、成長、イノベーション、変革を通じて人材戦略を率いることを専門とする人事エグゼクティブである。
Fortiveでの任務を終えるにあたり、私は周囲の人々からどれほど多くを学んできたかを、何度も振り返っていた。これまでやったことのないことに挑戦する機会を与えてくれ、仕事ぶりを見せ、果てしない質問を受け止めてくれた、寛大なリーダーやメンターたち。最も必要としていた時に、私の考えに異を唱えてくれた同僚たち。
30年にわたるキャリアの中で、私は何度も間違えてきた。だが、共に働いた人々は、好奇心を持ち続け、適応する姿勢こそがすべてを変えると教えてくれた。自分が知っていると思い込んでいたことを本当に手放し、違うやり方を試してみる。これは私が極めたことではない――むしろその逆だ――それでも、少しでも上達しようとし続けた。
そうした経験は私のリーダーシップ観を形づくり、今も私を導くいくつかの要点が浮かび上がった。ここでは、私の中に残り続けている5つの教訓を紹介したい。
1. 変化のさなかでは、簡素化できることは簡素化し、頻繁に伝える
変化はますます速く、そして混乱を伴いながら押し寄せ、人々はそれに疲れている。私が学んだのは――多くの場合、うまくできなかったときに何が起きたかを目の当たりにすることで――リーダーとしての私たちの役割は雑音を切り裂くことだという点だ。厳しい局面でチームが必要としているのは、明確で一貫したコミュニケーションである。たとえ、すべての答えがそろっていなくても。
わかっていること、そして次にいつ追加情報を伝えられるのかを伝え、その約束を守る。例えば、Fortiveは2025年に大規模な変革を経験した。私たちはコミュニケーションの基準を確立した。「現状はこうです。次のステップはこうです。次に連絡するのはこのタイミングです」。何が起きているのかを推測する必要がなくなり、人々は「これから何が起きるか」を心配するのではなく仕事に集中できた。
2. 信頼は、情報共有から育つ
人は不確実性そのものよりも、何も知らされないことのほうが耐え難い。わかっていることと、まだわかっていないことを正直に伝えると、リーダーとしての自分に人間味が生まれる。加えて、人々に主体性を与えられる。指示を待つだけではなく、備え、さらには次に何が必要かを一緒に考えることもできるようになる。
FortiveがAIが働き方に与える影響を見極め、経済の不確実性の中で舵取りをしていたとき、私は「まだすべての答えはない」と声に出して言うことを意識した。最初は居心地が悪かった――すべてを見通しているべきだと思ったからだ。しかし、その正直さが、うわさ話の温床ではなく、本当の対話のための余地を生んだ。意思決定を下したとき、人々は準備ができていた。結論だけを渡されたのではなく、その道のりの一部だったからだ。
3. 協働と共有の儀式を通じて、カルチャーを育む
カルチャーとは、誰も見ていないときに人々が何をするかであり、リーダーができる最善のことは、意味のあるものを築くための道具と余白をチームに与えることだ。Fortiveでは、継続的改善がカルチャーの中心にあった。人々はツールや共通言語、問題解決のための構造化されたアプローチを共有していた。常に同じプレイブックで動いていたのである。
その基盤があれば、シアトルとシンガポールのチームメンバーが、終わりのないすり合わせ会議なしに一緒に問題を解決できる。仕事の質は高まり、人々は自分のローカルチームを超えた、より大きな何かとつながり続けられる。それが実際に起きるのを見たことで、どんなフレームワークにも勝るカルチャーの学びを得た。
4. 好奇心と、フィードバックに対する開放性を大切にする
従業員が必要としていたことと、私が必要だと思い込んでいたことの間のギャップには、数え切れないほど驚かされてきた。FortiveがAIと仕事の未来について考えるにあたり従業員のフィードバックを集めるたびに、私は自分が持っているとは思っていなかった知識の空白を学ぶことになった。
私が一緒に働いてきた最良のリーダーたちは、わかったつもりにならなかった。問いを重ね、本気で挑戦されることを望んでいた。私は、そうした姿勢を体現して見せてくれたメンターに恵まれたし、簡単ではないときでも真実を伝えてくれたチームメンバーにも恵まれた。私は今も、フィードバックをより良く受け止め、すぐに行動に移して「直す」ことへ飛びつかず、その瞬間にとどまり続けることを磨いている最中だ。
5. 多様な視点を求め、深く聴く
おそらくあなたの組織には、答えを持っているチームメンバーがいる。そして、その人はあなたが尋ねてくれるのを待っている。私が敬意を抱いていたある人物はこう言った。「あなたは賢い。だが、チームが伝えようとしていることを取りこぼしている」。そこで私は、より多くの問いを投げ、より多くの声を招き入れるようにした。そうして一緒に見つけた解決策は、私が1人で思いつけたどんなものよりも、一貫して優れていた。
2025年、FortiveのHRチームはハッカソンを実施し、リーダーがコンサルタント役を担い、チームメンバーが問題解決を主導した。あるチームはオンボーディング体験を再設計し、戦力化までの時間を数週間短縮した――私たちが何年も解こうとしてきた課題である。彼らは2日で突破した。日々そのプロセスを生きていたのは彼ら自身だったからだ。それを目にしたことで、十分に謙虚に探し、十分に辛抱強く立ち上がりを待てば、どれほどの知性と創造性が引き出せるのかを思い出した。
リーダーシップは学びから生まれる
私が最も感謝しているのは、学ぶ間に辛抱強く寄り添ってくれ、必要なときに挑みを与えてくれ、行き詰まったときにより良い方法を示してくれた人々だ――時間を投じてくれたメンター、私が間違っていたときにそれを指摘してくれた同僚、そして私が邪魔をしないときに何が可能になるのかを教えてくれたチーム。私はすべてをわかっているわけではない――それどころか、ほど遠い。だが、それこそがこの仕事を面白くしている。次に何を学び、誰から学ぶのかを見るのが楽しみだ。
この旅の一部となってくれたすべての人に感謝したい。あなた方は、あなた方が思う以上に私を形づくってくれた。



