昨年、中国の製薬企業は国際的な業界大手との海外向けライセンス契約で過去最高を記録したが、2026年もさらなる前進が見込まれる。国内最大級の製薬会社の1社の会長が書面インタビューでそう述べた。
「2025年は、中国がグローバル製薬業界において追随者からリーダーへと転換する画期的な年となった」と、上海復星医薬の陳玉卿(チェン・ユーチン)会長は最近のメールインタビューで語った。2025年に中国発の革新的医薬品に関するアウトライセンス取引の総額は130億ドルを超え、「中国の研究開発能力が世界的に認められたことを示している」という。
復星医薬自体もその潮流の一角を占める。米業界大手ファイザー(Pfizer)は12月、上海復星医薬の子会社YaoPharmaと、体重管理薬の開発・製造・商業化に関するグローバルな共同開発およびライセンス契約を締結したと発表した。YaoPharmaは1億5000万ドルの一時金を受領し、開発・規制・商業上の特定のマイルストーンに連動して最大19億ドルの追加支払いを受け取る資格を有する。さらに売上に応じた段階的ロイヤルティも得る。中国企業と提携する多国籍製薬企業には、欧州のアストラゼネカ(AstraZeneca)も含まれる。同社は今月、医薬品の製造と研究開発拡大のため、2030年までに中国へ150億ドル投資する計画を発表した。
1994年に設立された復星医薬は、中国の民間セクターが同国経済と製薬業界で台頭してきた経緯を象徴する存在である。同社は復星国際(Fosun International)からスピンオフした企業で、復星国際は改革開放初期の1992年に4人の起業家によって創業された。復星医薬は復星国際が33%を保有する。時価総額が約100億ドルの復星医薬からのスピンオフには、時価総額30億ドルのHenliusがある。復星医薬は、同社が70%を保有するワクチン事業ユニットであるFosun Adgenvaxを、今年、香港証券取引所に上場させる計画だ。上海に本社を置く復星医薬の昨年9月までの9カ月間の純利益は、前年同期比25%増の25億元となった。支配株主である復星国際の郭広昌(グオ・グアンチャン)会長の資産は、本日時点のForbesリアルタイム・ビリオネア・リストで22億ドルとされる。
中国、臨床試験で米国を上回る
近年を振り返り、陳会長(昨年4月に就任)は、革新的医薬品の上市、研究パイプライン、臨床試験に関するデータが、業界の世界的進展を裏付けていると強調した。中国国家薬品監督管理局(NMPA)によれば、中国は2025年に市場投入(上市)に向けて過去最多となる76の革新的医薬品を承認した。陳会長の推計では、中国の研究開発パイプラインは現在、世界全体のおよそ30%を占め、世界2位に位置する。中国は2024年に7100件超の臨床試験を実施し、米国を上回った。これが、PD-1/VEGF治療などの二重特異性抗体、細胞治療、がんワクチンといった新規治療の進展につながったという。陳会長によれば、2024年にはクラス1の革新的医薬品が48件承認され、前年比20%増となった。「中国の業界はジェネリックから真のイノベーションへと移行した」と陳会長は述べた。
中国は年間のがん死亡者数が世界最多であるため、業界の重点が腫瘍領域の医薬品に置かれるのは当然だ。「満たされていない医療ニーズが膨大であることが研究開発投資を促進している。人気の標的領域での激しい競争が、企業をADC(抗体薬物複合体)や細胞治療といった、より差別化された最先端領域へと押し出している」と陳会長は語った。「ADCと二重特異性抗体における中国の研究開発パイプラインは、いまや世界をリードしている。エンジニアリング・科学の人材が豊富で、AIを活用した研究開発と組み合わさることで、中国のイノベーションの質と国際競争力はさらに強化された」
市場需要とイノベーションの余地に加え、がん治療薬の開発プロセスは政府の政策支援によっても推進されている。「NMPAの合理化された審査・承認プロセスにより、革新的医薬品のライフサイクルは大幅に短縮された。中国の国家医療保険医薬品目録の機動的な調整は、革新的治療が承認後に迅速に市場アクセスを得るのに役立っている」と陳会長は指摘した。AIは創薬の中核になりつつあり、がんを含む治療薬の探索効率を50%以上改善する可能性があるとも付け加えた。医薬品産業デジタルトランスフォーメーション実施計画(2025〜2030年)といった政府政策も、移行を加速しているという。
国際提携が増加
そうした流れの中で、国際提携も「戦略的整合」によって急増していると陳会長は述べた。「『特許の崖』に直面する多国籍企業はパイプラインの補充が必要であり、一方で、高品質でコスト効率の高いアセットを持つ中国のバイオ医薬品企業は、商業化のためにグローバルパートナーを必要としている。これらの協業は、単純なライセンス契約から、共同開発や収益の共有を伴う、より深いパートナーシップへと進化している」と陳会長は語った。
中国での事業展開が約40年に及び、同国300以上の都市で存在感を示すファイザーは、昨年半ば、瀋陽に本社を置く3SBioと、がん治療薬を目的とする契約を結び、中国での事業を強化した。7月に発表された合意では、3SBioが12億5000万ドルの支払いを受け取ることになっており、米製薬大手は3SBio株を1億ドル分購入することも盛り込まれた。「貿易摩擦はくすぶり続け、ときに激しくなる。しかしわれわれは、対話に引き続き信頼を置かなければならないと考えている」と、ファイザーのアルバート・ブーラ(Albert Bourla)会長は昨年9月、米中関係全国委員会がニューヨークで開催したガラ会合で米中関係について語った。
復星医薬の子会社YaoPharmaは、自社開発した経口の低分子GLP-1R作動薬「YP05002」によってファイザーの関心を引いた。「代謝性疾患におけるグローバルな潜在力を踏まえ、このアセットはファイザーから強い関心を集めた」と陳会長は述べた。12月のファイザーとの合意は、「当社の低分子研究開発プラットフォームの強みが認められた節目であり、ファイザーのネットワークを通じて同薬のグローバル開発を加速する」と陳会長は語った。
腫瘍領域では、復星医薬は昨年、いくつかの節目を迎えた。自社開発による初の低分子革新的医薬品ルボメチニブ(luvometinib)および革新的なCDK4/6阻害薬フォビナシクリブ・クエン酸塩カプセル(fovinaciclib citrate capsules)が中国で承認された。抗PD-1モノクローナル抗体(mAb)セルプリリマブ(serplulimab)もEU、英国、インドなどで承認を取得した。さらに同社は、他の腫瘍領域アセットについてもアウトライセンスを実施した。
総括として陳会長は、中国の製薬業界は2026年に「独創的イノベーション」と「グローバル価値の実現」を中心とする新たな発展段階に入る見通しだと述べた。復星医薬は「イノベーション主導」「グローバル化の深化」「AIの積極的受容」という中核戦略を引き続き追求していくという。2025年の大きな成果を受け、復星医薬と業界は今後数カ月に向けて強い追い風を得ている。



