信頼関係により支えられる健全なアフィリエイト運用
一方ではアフィリエイトの普及によって動画が過度に「広告化」し、コンテンツの質が低下するのではないかという懸念もある。これに対し、YouTube Japan 代表の山川氏は、鍵を握るのはクリエイターの「編集権限」と「視聴者との信頼関係」だと指摘する。
クリエイターが管理画面「YouTube Studio」からアフィリエイト プログラムを有効化すると、動画内で紹介する商品にタグを付けられるようになる。タグ付けの手間を軽減するため、YouTubeはAIによる自動タグ付け機能の拡充も進めている。
もっとも、AIによる自動タグ付けが実装された後も最終的な決定権は常にクリエイターにある。不要なタグは削除できるほか、特定の動画には一切タグを付けないという選択も可能だ。山川氏は、日本のクリエイターが築いてきた「ファンとの強い信頼関係」を土台にすれば、アフィリエイト プログラムも健全に運用されていくはずだと語る。
なおプラットフォームが提供する機能の仕様としては、1本の動画(長尺・ショート)につき最大60点、ライブ配信では最大30点までタグ付けが行える。
例えば、あるクリエイターが自身の専門外の分野に属するアイテムを、アフィリエイト プログラムを通じて紹介することも可能だ。山川氏は、むしろそのような使い方こそ視聴者に歓迎されるのではないかと話す。
「日本では『このクリエイターの言うことなら信頼できる』『この人のようになりたい』といったファン心理が特に強い傾向があります。特定の分野に深い知識や強いこだわりを持つクリエイターへの信頼は、その人が愛用する持ち物やライフスタイル全般へと広がることも少なくありません」
例えばゲーム実況を配信するYouTubeクリエイターに対して、ゲームとは直接関係のない「使用しているヘッドセット」や「着ている服」について、コメント欄に多くの質問が寄せられるケースは珍しくない。こうした場面でもクリエイターはコンテンツの流れを止めることなく、アフィリエイト プログラムを通じて動画にタグを付けることで、視聴者が求める情報を自然な形で共有できる。山川氏は、この機能を新たなコミュニケーションの手段としても活用してほしいと呼びかける。


