視聴者からの信頼を守りながら稼ぐ、クリエイターの新しい選択肢
カッツ氏は、これからYouTubeショッピングのアジア市場における成長にとても期待していると続ける。
「動画からのショッピングという体験は、元は米国よりもアジアの市場の方が成熟していると考えるからです。アフィリエイト プログラムの成果は米国も伸びていますが、それ以上にインドや韓国、タイのような、動画をベースとするショッピング体験が根付いている国々の方が、サービス導入後に勢いよく伸びています」
現在、日本を除く世界各国で50万以上のクリエイターがアフィリエイト プログラムを利用しており、動画がエンターテインメントの枠を超え、実利を伴う経済インフラとして機能し始めていることがうかがえる。
この動向を踏まえて、今後YouTubeのクリエイターエコノミーがどのように変わる可能性があるのだろうか。
YouTubeは過去4年間で、クリエイターに対して1000億ドル以上の支払いを行ってきた。その多くは広告収入からのレベニューシェアであった。アフィリエイト プログラムの導入は、クリエイターに「広告案件(タイアップ)」とは異なる「より自由度の高い収益源」をもたらせるだろうと、カッツ氏は表現する。
つまり、従来の広告案件が抱えていた「信頼性」の課題を解決する道筋が見えてくる。カッツ氏は次のように説明する。
「広告案件の場合、出稿主からクリエイターに対して様々なリクエストが寄せられる場合があります。広告主の意向に寄り添いすぎると、視聴者に敬遠されてしまう場合があり、クリエイターは視聴者からの信頼を失うことにもなりかねません。アフィリエイト プログラムの場合は、クリエイターが動画の中で紹介するアイテムに対して率直にコメントしながら、リンクを張ることができます」
広告案件では、視聴者が本来知りたいはずの「出稿主にとって不利になり得る情報」を、クリエイターが発信しにくくなるのではないかという懸念が生じる。実際、そのような状況におちいるケースも少なくない。
その点、アフィリエイト プログラムであれば出稿主がクリエイターの発信内容に直接関与する余地は基本的にない。クリエイターは自ら選んだ商品について、より自由な立場からコメントできるようになる。結果として「クリエイターは視聴者との信頼関係を損なうことなく、収益化の手段としてアフィリエイト プログラムを活用できるのではないか」とカッツ氏は期待を寄せる。


